現行のLTE(Long Term Evolution)で台頭した中国の華為技術(Huawei Technologies、ファーウェイ)は、5G(第5世代移動通信システム)やLTEベースのIoT(Internet of Things)向け通信規格「NB-IoT」を通じて、事業領域を通信業界のみならず産業界全体に拡大しつつある。その原動力となったのは、同社独自の「エコシステム」だ。

東芝や村田製作所が参加

 産業界のエコシステムは、製品や技術の普及を目的としたものが多い。ファーウェイは、このエコシステムの概念を研究開発に応用した。つまり、サプライヤーやアプリケーションベンダーといったパートナー企業と共同で5GやNB-IoTの研究開発に取り組む場を設けたのである。具体的には、世界各地に「オープンラボ」と呼ぶ共創型の研究開発施設を構え、実証実験や接続性検証などを進めてきた。

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パートナー企業と実証実験
写真は、中国・上海にあるNB-IoTのオープンラボ。スマート家電や乳牛の管理など、さまざまなテーマがある
ファーウェイの蔣旺成氏
同社 President of IoT SolutionとしてIoT事業を統括している

 ファーウェイのIoT事業を統括する蔣旺成氏(同社 President of IoT Solution)によれば、オープンラボに参加している企業は2017年末時点で約1000社だったが、2018年になってから急速に増え、同年秋時点で2000社を超えたという。日本からも東芝や村田製作所などが名を連ねている。

 研究開発段階からこれほど多くの企業と協業するのは、IoTの“キラーアプリケーション”がまだ見えていないからだ。特に5Gは、8K映像の伝送やロボットの遠隔制御などさまざまなアプリケーションの実証実験が進んでいるものの、それらが顧客の価値に結び付くという保証はない。だからこそ、顧客に近いアプリケーションベンダーや、現場に実装する技術を持つサプライヤーと共に、キラーアプリケーションをいち早く見つけようとしているわけである。

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