華為技術(Huawei Technologies、ファーウェイ)をはじめとする中国企業の通信機器を、5G(第5世代移動通信システム)のネットワークから排除する動きが進んでいる。日本の通信大手も軒並み採用を見送る構えだ。しかし、IoT(Internet of Things)の普及に伴い、通信機器のユーザーは産業界全体に広がっている。このIoTでもファーウェイは確固たる地位を築きつつある。

NB-IoTの先に5Gを見据える

 例えば、水道メーターやガスメーターで国内最大手の愛知時計電機は、IoT向け通信規格「NB-IoT」を活用したスマート水道メーターの技術検証をファーウェイと共同で実施している。ファーウェイのNB-IoTサービス開発ツール「SoftRadio」やIoTプラットフォーム「OceanConnect」を使い、水道メーターの自動検針システムを構築。2018年12月には、京都市上下水道局の管内でスマート水道メーターの試験導入と電波状況確認試験を開始した。

水道メーターをスマート化
愛知時計電機の水道メーターにNB-IoT通信モジュールを付けた。ファーウェイの開発ツールやIoTプラットフォームを採用している。(出所:愛知時計電機)
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 NB-IoTは、LPWA(Low Power Wide Area)に分類されるIoT向け通信規格の1つ。フィンランドNokia(ノキア)など他の通信機器メーカーもNB-IoTを手掛けているが、「NB-IoTではファーウェイの技術力が抜きんでている」(愛知時計電機)。スマート水道メーターの早期実用化に向けて、ファーウェイは不可欠なパートナーという位置付けだ。

 電子部品業界でもファーウェイとの協業が増えている。村田製作所は、ファーウェイ傘下の半導体メーカーである海思半導体(HiSilicon、ハイシリコン)製チップセットを使ったNB-IoT通信モジュールの開発に取り組んでいる。2018年には複数のIoT関連の展示会に参考出品しており、2019年中の製品化を目指す。アルプスアルパインは、ファーウェイのNB-IoT技術を活用したスマート駐車場システムの実証実験を主に中国で進めている。

 NB-IoTは、同じLPWAの「LoRa」や「Sigfox」などと比べて実用化で出遅れていた。しかし、サブGHz帯を用いるこれらの規格と異なり、NB-IoTはLTE(Long Term Evolution)ベースの“セルラーLPWA”であることから、日本の通信大手が相次いで商用サービスを開始するなど急速な巻き返しを見せている。その背景には、ファーウェイの積極的な技術開発やユーザー企業の開拓もある。

 当然ながら、ファーウェイはNB-IoTの先に5Gを見据えている。躍進のきっかけとなったLTEをベースとするNB-IoTでIoT市場の足掛かりを得て、5Gで圧倒的な地位を築くというのが同社の描くシナリオだ。

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