技術開発から新事業を生み出せない、売れるかどうか分からない技術を新規開発する博打も打てない――こうした悩みから、大きな研究開発部門を持つ大手企業が「オープンイノベーション」に飛びついた2010年代前半。大手企業が自社の技術や知見を売りに、協業を希望するベンチャー企業を募り、複数社の中から有望なベンチャーを見つけ出す、コンテスト形式のイベントが盛んに開催された。一部で有益な協業が生まれる一方、コンテストの表彰式を最後に中途半端に終わってしまうというケースも見られる。

 こうした中、ベンチャーと大手企業による新しい形のオープンイノベーションの事例が増えている。共通するのは、ベンチャー企業側が明確な事業方針を持ち、不足するピースを補うために大手企業の力を借りること。大手企業側は自社の得意分野のアセットを提供することで、実用化にまでこぎつけているのだ。ベンチャー×大手によるオープンイノベーションの新潮流を追った。

(写真:チータン.C / PIXTA)
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