わずか3万台というニッチな国内ホームプロジェクター市場で、3カ月で1万台が売れるヒット商品となった「popIn Aladdin」(ポップインアラジン)。シーリングライトにプロジェクターとスピーカーを組み合わせた“世界初の3in1スマートライト”をうたう製品だ。一般のプロジェクターは映画鑑賞などエンターテインメントを主用途に据えるのに対して、同製品は寝室で子供と学びに向けたコミュニケーションを取るための製品と位置付ける。2017年10月、筆者は同製品の初お披露目の場であった「CEATEC JAPAN 2017」で東大発ベンチャーのIT企業であるpopInのブースを訪れた(「AIスピーカー・プロジェクター内蔵のスマートシーリングライト」)。

シーリングライトにプロジェクターとスピーカーを組み合わせた「popIn Aladdin」
2018年9月に発売した“製品版”(写真:日経 xTECH編集部)
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 一番驚いたのは、その際に提示された「4万9800円(税別)」という価格だった(実際の販売価格は税込み7万9800円)。当時、筆者の子供は未就学児で、子供とビデオなどを見るために家庭用プロジェクターを購入しようかどうか迷っていた。小型の中国製激安プロジェクターなら、1万~2万円で手に入る。ただし、電源、収納場所、スピーカーをどうするかが悩みのタネで、popIn Aladdinはこれらの問題を解決するのにぴったりの製品に思えた。

 しかも、クラウドファンディングでは初期の割引価格として1万9800円で販売するという。筆者は思わず「安すぎますよね」と説明員に問い、困惑気味の彼からも「ええ。でも社長がこの値段だと言うので…」という返事がきた。

 正直、筆者はこの製品に魅力を感じたが、一方で「安すぎる。このプロジェクトは失敗に終わるのではないか」と思い、クラウドファンディングの2万円を払う勇気が出なかった。しかし、「この製品は面白い」と即2万円を払った人がいる。2014年にソニーのパソコン事業部門が分離・独立して誕生した、VAIOのソリューション推進室の戸國英器氏だ。“ハードウエアの素人”であるpopInが独力で製品企画まで漕ぎ着けた後、量産に向けた開発で大きな役割を果たしたのがVAIOだった。

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