中小・ベンチャー企業がオープンイノベーションに取り組む際の考え方

 本連載の前回では、中小・ベンチャー企業全般におけるオープンイノベーションの方策について、全体的な概念を整理した。今回を含む以降6回の連載では、中小・ベンチャー企業のオープンイノベーション実践に向けて、より具体的な成功・失敗の要因について解説していく。

 今回は、中小・ベンチャー企業が相互に連携を行う際の留意点について、筆者のこれまでの経験に基づき紹介する。大企業と比較して自社の経営資源が潤沢ではない中、いかにしてその不足を補い、むしろ逆手に取って技術の事業化を実現するか、という点がオープンイノベーションにおけるカギとなる。

 さて、本連載のテーマであるオープンイノベーションとは、社外のリソースを活用しながら、まだ世にない新しい製品・サービスを生み出そうという試みである。つまり、日常の業務の中で行われているような、部品の外注や委託加工のプロセスとは、そもそもの考え方が大きく異なる。従って、外注における考え方をオープンイノベーションに持ち込んでしまうと、それは連携にブレーキをかける要因となりかねない(図1)。

図1 日常業務における外注と、オープンイノベーションの違い
(出所:PwCコンサルティング)
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 ここでは、他社との連携の形態がこれまで外注のみだった企業を想定し、中小・ベンチャー企業同士のオープンイノベーションにおいて問題となりやすい以下の項目について、基本的なポイントを解説していく。既にオープンイノベーションへの取り組みを進めている企業においても、改めて取り組み方を振り返るための視点を提供したい。

[1]オープンイノベーションの始め方

1. 可能な限り外部資金を活用する

2. 相手企業とは技術よりもビジョンを共有

[2]オープンイノベーションの進め方

1. 計画が流動的であることを相手企業との共通理解としておく

2. 相手企業を育成する覚悟を持つ

3. 実用化のハードルを上げすぎない

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