東京23区における大規模開発プロジェクトの進展は依然、東京「東部」側に重心がある。都心3区(港区、中央区、千代田区)では、千代田区の動きが落ち着き、進行中の大規模開発の総延べ面積は、近年では初めて江東区が同区を上回る結果になった。日経アーキテクチュアによる独自調査の5年分の結果を基に、主要特別区の「大改造」動向を追う。

 東京23区で計画や建設が進行中の延べ面積1万m2以上の大規模開発プロジェクトは、総面積では前年同期と同水準で推移した。急増した前回(2018年版調査)との違いとしては、東京ミッドタウン日比谷、大手町プレイス(大手町2丁目地区再開発)が18年中に完成した千代田区の動きが落ち着き、総面積では微増の江東区が同区を上回る結果になった。なお、大規模開発プロジェクトの件数が315件から335件に膨れ上がった前回から、件数自体は、また16~17年の水準に戻っている。

東京23区で進行中の大規模開発プロジェクトの総延べ面積の推移。調査対象期間(前年)に竣工・完成したものを除外し、新たに届け出のあったものを追加している。日経アーキテクチュアによる独自調査の5年分の結果を基に作成した。各年のカッコ内は大規模開発プロジェクトの件数(届け出時点で面積が未記載のものを含む)(資料:日経アーキテクチュア)
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進行中の大規模開発プロジェクトの特別区ごとの総延べ面積。総延べ面積の大きい順に12位まで示し、2020年までに竣工(完成)予定のものと、それ以降のものを色分けした。順位のカッコ内は、過去4年間の推移。特別区ごとのカッコ内はプロジェクトの合計の件数および、そのうちの調査対象期間内に新たに届け出のあった件数(資料:日経アーキテクチュア)
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 “4強”と位置付けてきた都心3区(港区、中央区、千代田区)と江東区が中心となっているのは変わらない。23区で進行中の総延べ面積に対し、4つの特別区のみの総面積で67%強を占める。港区では10万m2以上のプロジェクトが20件、中央区では14件、江東区では7件、千代田区では3件という差も付き、大規模開発であるため過半の竣工・完成は2021年以降となる。

 本調査の最新版は、1月31日発売のシリーズ第6弾「東京大改造マップ2019-20XX」および2月28日発売の「同開発プロジェクトデータ集」のために実施したものだ。18年11月末の時点で東京都に標識設置届が提出されている延べ面積1万m2以上の大規模開発プロジェクト全件を対象としている。

「東京大改造マップ2019-20XX」より。「虎ノ門・赤坂・六本木」エリアのマップ。同書ではほかに、「日八京・大丸有」「品川・田町・浜松町/羽田」「有明・豊洲・晴海」「渋谷・神宮外苑」「新宿」「池袋」「横浜」を合わせた8エリアに関し、オリジナルのマップを使いながら大規模開発プロジェクトの動向を解説している(資料:日経アーキテクチュア、地図制作:ユニオンマップ)
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「東京大改造マップ2019-20XX」より。本調査の対象は、東京23区内および横浜市内に2019年以降に竣工あるいは完成する延べ面積1万m2以上の建築物。調査に際しては、東京都や横浜市が中高層建築物の計画に義務付けている標識設置届の情報を基本としている。18年11月末時点の届け出で、19年以降に竣工あるいは完成とされているプロジェクトをピックアップした。なお同書中では、主要なデベロッパーや建設会社、建築設計事務所に対するアンケート結果のほか、国や東京都、事業者による公式リリースなどを反映させて掲載情報を改定している場合がある。完成予想パースは、デベロッパーや建設会社、建築設計事務所から提供を受けている(資料:日経アーキテクチュア)
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 現在の都心の大規模開発は、国家戦略特別区域(国家戦略特区)における「都市再生プロジェクト」がけん引している(本記事の表中では赤色で示している)。東京都は、2014年5月以降、合計34件の都市再生プロジェクトを進めている。これらは、都市に対する公共的な貢献を前提に、用途や容積率など都市計画上の制限の「緩和」を受ける。その推進により、全体で約14兆円の経済波及効果を見込む、とされる。

 以下では、主要特別区で進められてきた大規模開発の総面積の推移と、プロジェクトの規模順ランキングから、都心部の大改造の現状を概観する。

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