自動車のハードとソフトの分割発注時代を見据えて、完成車メーカーとソフト開発の主導権を争うメガサプライヤー。ドイツ・コンチネンタル(Continental)と同ボッシュ(Bosch)の2強は、完成車メーカーの土俵に割り込む「下克上」に挑み始めた。それぞれMaaS用無人運転車を開発すると発表した。

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メガサプライヤーはMaaS用無人運転車を自ら開発
左がコンチネンタルが開発する「キューブ(CUbE)」、右がボッシュの「シャトルモビリティー(Shuttle Mobility)」。(出所:左がコンチネンタル、右がボッシュ)

 無人運転車の技術面における付加価値の大半は、ソフトとコンピューター、センサーに集まる。メガサプライヤーは、もともとセンサーに強い。あとは勝負どころと見込む統合制御ソフトと中央コンピューターの開発を進めていけば、車両全体の開発能力として十分な水準に達する。

 MaaSで車両の「所有」から「利用」へと消費者の志向が変わると、自動車部品を販売する事業が縮小するとの危機感が背景にある。メガサプライヤーはモビリティーサービス基盤を開発して、利用料などでかせぐ事業をつくりたい。サービス基盤を提供するには、車両とセットで提案するのが主流である。

 メガサプライヤーがMaaS用車両を手掛けるのには、膨大になりがちな販売網への投資を最小限に抑えられるとみることも大きい。既存の販売網をそのまま使える可能性がある。MaaS用車両の顧客は一般消費者ではなく、「MaaSプロバイダー(運用者)」と言われる交通事業者になるからだ。

 現状と同じ「B2B」の商売であり、消費者向けの「B2C」で必要になる多数の販売店はいらない。ブランド力の優劣も、B2Bであればそれほど影響しない。商用車といえるMaaS車両の選定では、費用対効果が最も重要な指標になる。

 コンチネンタルやボッシュにとどまらず、ドイツZFや同シェフラーらの部品大手もMaaS用無人運転車の開発に挑み始めた。

ドイツ勢をしのぐ開発体制のデンソー

 日本の部品メーカーで、ソフトとハードの分割発注への転換に備え始めたように映るのがデンソーである。集中型電子基盤の中枢である中央コンピューターの開発でコンチネンタルやボッシュに遅れる印象だが、トヨタ自動車グループの力を活用して追いかける。

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