パンタグラフ方式は、薄型キーボードでの採用が多い。中央で交差した2組の支柱がキーを支えるため、キーの中心を押さなくてもキー全体を押し込める。スイッチ自体はメンブレンタイプと同様に、ラバーカップを基板上のメンブレンシートの接点に押し込むことで通電して、入力を認識する仕組みだ。キーの部品点数は多く、構造は複雑だが、他の方式よりもキーを薄くできる。ノートPCのキーボードは、ほとんどがこのパンタグラフ方式だ。

パンタグラフ式のキーボードは、キーを薄く作れるという特性上、薄型の製品において採用が多い。写真はスリーイーホールディングスの「3E 3E-BKY5-BK タッチパッド付Bluetooth Keyboard 【Touch+】 3つ折りタイプ ブラック ケース付属」。実勢価格は約6400円
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パンタグラフ方式のキーは、交差した2組の支柱でキーを支える仕組みだ。キーでラバーカップを押し込み、基板と接触させてキーの入力を認識させる部分は、メンブレン方式と似ている。写真はパンタグラフ方式のキーボードを採用するノートPCのキー
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 メカニカル方式のキーボードは、キーの数だけ機械式のスイッチを搭載する。109キーを持つキーボードだと、109個のスイッチを搭載することになる。つまり構造はかなり複雑で、部品点数も多い。その分、高価になる。

メカニカル方式のキーボードは、キー1個につき1個の機械式のスイッチを搭載している
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ダイヤテックの「Majestouch Convertible 2 茶軸・フルサイズ・英語 US ASCII」はメカニカル方式のキーボード。実勢価格は約1万6000円
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方式の違いで押し圧が異なる

 メンブレン方式やパンタグラフ方式の場合、基板をラバーカップで押し込む必要があるため、キーを奥深いところまで押し込まないと入力が認識されない。一方、メカニカル方式や静電容量無接点方式は、スイッチの接点や静電容量の検出が浅いところに設定されていることが多く、キーを奥深くまで押し込まなくても入力が認識される。キーを深く押し込む必要がなく楽だ。ダイヤテックのキーボードで採用されている「CHERRY MXスイッチ」は、キーストロークが4ミリあるのに対し、接点は2ミリの部分にある。

 また、キーボードの方式によって、キーの押し圧が大きく異なる。メンブレン方式やパンタグラフ方式は、押し圧は約50~60グラムの製品が多い。これに対して、メカニカル方式は45グラム程度から、静電容量無接点方式は30グラム程度からと、キーの押し圧がかなり軽い。そのため、指先に力を込めずに軽いタッチで文字を入力できる。また高価なキーボードには、キーによって押し圧を変えている製品もある。

「REALFORCE R2 テンキーレス『PFU Limited Edition』 日本語配列」のキーを外したところ。静電容量無接点方式もメカニカル方式と同様、キー1つに対し1個の静電容量無接点スイッチを搭載しており、部品点数が多い
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 また高価なキーボードは、キーをたたき込んだときにキーボードが移動せず、わずかな振動や衝撃を抑えるためにキーボード基板の下に極厚の鉄板が組み込まれていることが多い。そのため、高価なキーボードは重い製品が多い。例えば安価な「USBキーボード(排水機能付き・ブラック)」の重量は520グラムしかないのに対して、高価な「REALFORCE R2 テンキーレス『PFU Limited Edition』 日本語配列」の場合、テンキーレスキーボードにもかかわらず1.64キログラムもある。