AI(人工知能)に関する知識やスキルを持つ人材へのニーズは高まる一方。ただしその人材像は、2~3年前とは変化している。どんな求人が下火になっているのか、逆にどんな人材が今後求められていくのか。リクルートキャリアでITやコンサルティングなどの分野の転職支援を手掛ける、横山賢太郎氏が明かす。(日経 xTECH編集)

 あらゆる業種の企業がAI(人工知能)の活用に乗り出しています。AIの隆盛とともに、データサイエンティストなどの求人は増加の一途をたどっています。

 こうしたAI活用の推進人材に対する需要はここ数年高まっていますが、求められる人材像にはやや変化が見られます。少し前まではデータ統合や分析などの専門家が熱視線を浴びていましたが、今はデータをビジネスに生かせる人材へのニーズが高まっています。これは、AI関連の経験がないエンジニアやマーケティング担当者にも、本人の意思や努力によってこの領域に転身できるチャンスが増えてきたことを意味します。

「DMPを作れる人」へのニーズは下火に

 AIの活用が本格化した2016年~2017年ごろに遡ってみましょう。このころ、各社は「データ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)」の整備に力を入れるようになりました。これまで複数のシステムに散在していた顧客データを統合する、あるいは紙で保管されていた書類をデジタル化して管理する、といった取り組みです。

 この時期は、DMPを構築するデータサイエンティスト、データアナリストといった人材が引く手あまたとなりました。

 これが2019年現在、どう変化しているかというと、「DMPを作れる人」のニーズは下火になっています。DMPを簡単に作れるツールやデータ分析ツールが普及しているためです。

 では今、AI人材として価値があるのはどんな人か。それは、「データとビジネスの橋渡しができる人」です。機械学習技術を活用し、業務の効率化・改善を図れる、あるいは新サービスや新規事業を生み出せる人材が求められているのです。

 今や、データ分析はツールを使えば簡単にできるようになっています。AI関連の専門知識やスキルがなくても、ビジネスに対する感度が高い人であれば、デジタルトランスフォーメーション(デジタル活用による事業モデルの転換や新規事業創出)を推進する部署やプロジェクトで活躍できるチャンスが広がっています。