首都圏に比べて魅力的なベンチャー企業が少ないと思われてきた関西エリアだが、このところ状況が変わっている。有望なベンチャーが多く誕生し、支援体制も整いつつある。関西のエンジニア採用支援を手掛けるリクルートキャリアの増田直子氏が、関西のベンチャー企業への転職事情を語る。(日経 xTECH編集)

 転職を考えるエンジニアには、あえてベンチャーを志向する人が少なくありません。ベンチャー企業には、大手企業にはないさまざまな魅力があります。

 例えば「広い裁量権を持って働ける」「スピーディーに推進できる」「自分が経営に及ぼす影響の強さを実感できる」「経営者のそばで働き、経営を学べる」「ストックオプションの付与など、短期で資産を築ける可能性がある」など。「常に新しいことにチャレンジしていたい」「自分の成長を感じたい」とベンチャーに移る人もいます。

 ただしベンチャー企業といえば首都圏のイメージが強く、「関西エリアには魅力的なベンチャー企業が少ない」と感じている人も多いのではないでしょうか。しかし最近、関西エリアでベンチャー企業が勢いを増しています。

 京都大学や大阪大学など先端技術を持つ学術機関では、自前のベンチャーキャピタル(VC)を運営しており、そうした大学発VCが支援するベンチャー企業が徐々に増えています。大企業によるベンチャーの支援、共同開発などの動きも活発化しています。さらに、先端技術を持つ海外企業が日本法人を関西エリアに設立したケースも見られます。

 2019年5月には、ジャパンベンチャーリサーチによる都道府県別のスタートアップ投資に関する調査結果に基づき、「大阪が福岡を抜いて3位に浮上」というニュースが報じられました。2018年に大阪府内にある非公開企業が調達した資金は121億円と、2017年比で6割増なのだそうです。2025年の大阪万博、IR(統合型リゾート施設)計画などにも期待が寄せられています。資金調達面でも人材確保の面でも、関西のベンチャーが発展する土壌ができてきたということです。

 関西で働きたい、またはベンチャー企業に興味がある人にとって、関西エリアのベンチャー企業で働くチャンスが広がっているのです。