データサイエンティストは、今最も人材ニーズの高い職種の1つ。前職とは全く異なる業界に転じる人も多い。リクルートキャリア ハイキャリア・グローバルコンサルティング部 医薬専門職担当の小紫佑子氏が、大手電機メーカーから製薬企業に転職を決めたデータサイエンティストの事例を語る。(日経 xTECH編集)

 AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングス)などに本腰を入れる企業が増える中、データサイエンティストは引く手あまたの状態。いざ転職しようとすると、IT企業のみならずさまざまな業種が選択肢になります。

 今回は、製薬業界への転職を選んだデータサイエンティスト、Yさん(30代後半・男性)のケースをご紹介します。

 Yさんは国内大手電機メーカーでビッグデータ解析部門の立ち上げに携わった人物。しかし、最近は仕事内容に物足りなさを感じるようになりました。「この会社ではやり切った」――そんな気持ちから、新たな可能性を模索していました。

 そんなYさんに、医療分野の転職支援を手掛ける私が提案したのが、大手製薬会社・X社の求人です。X社では、データ活用の専門部署の立ち上げに際し、非公開でデータサイエンティストを探していました。

(出所:123RF)

データが豊富にあるのに、活用できていない

 「私には製薬分野の経験が皆無ですが、X社のような大手に受け入れられる可能性があるのでしょうか」。全くの異業種の求人にYさんは少し驚いたようですが、すぐに応募の意思を固めました。

 偶然にも、Yさんは以前から製薬業界に興味を持っていました。大学時代の友人たちとの飲み会の場で、製薬業界に勤務する友人から「うちの業界はデータが豊富にあるのに、そのデータの活用は遅れているんだ」という話を聞き、ずっと気になっていたというのです。

 Yさんの「今の会社ではやり切ったから、次の挑戦を」という転職理由からも想像できるように、彼は安定を求めるのではなく、新たな道を切り開くことにやりがいを覚えるタイプと見受けられました。