液状化の発生リスクは、液状化マップなど様々な方法で事前に判定できる。北海道胆振東部地震で液状化が発生した3カ所について判定を行ったところ、リスクが低く見積もられたケースが複数出た。

 判定したのは、噴砂とブロック塀の不同沈下が見られた札幌市立美しが丘小学校付近の地点F〔写真1〕と、住家の不同沈下が多数発生した清田区里塚1条の宅地G、清田区美しが丘3条の宅地Hの3カ所だ。

〔写真1〕 噴砂が出て塀が不同沈下
点Fに当たる札幌市立美しが丘小学校の付近の、地震直後の様子。液状化による噴砂と塀の不同沈下が生じた(写真:横山 芳春)
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 札幌市が公表している液状化マップ(液状化危険度図)はリスクを4色に分けて表示する。宅地Gと宅地Hはリスクが1番高いピンクだが、地点Fはリスクが一番低い紫だった〔図1〕。液状化マップでは、地点Fの判定が外れた結果になる。

〔図1〕リスクが1番低い判定箇所で液状化が発生
札幌市が公表している液状化危険度図の上に、液状化が発生した3カ所を記した。地点Fは、液状化の可能性が極めて低いと表示されていた(資料:札幌市の資料に日経ホームビルダーが加筆)
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 日本建築学会が編集した「小規模建築物基礎設計指針」には、宅地の微地形区分から液状化リスクを大、中、小に分ける概略判定の方法が紹介されている。

 そこで、地域微動探査協会(東京都中央区)の横山芳春事務局長にこの方法での判定を依頼。横山事務局長は旧版地形図や航空写真、大規模盛土造成地マップなどから、3カ所の微地形が盛り土であると判読した〔図2〕。盛り土はリスクが大の区分なので、妥当な判定となった。

〔図2〕既存情報から盛り土と判読
  液状化マップ(高い、ある、低い、極めて低いの4段階) 微地形分類 土地利用履歴に関する資料 液状化履歴
地点F(美しが丘小学校) 可能性が極めて低い(札幌市液状化危険度図) 盛り土(旧版地形図より判読。札幌市大規模盛土造成地マップで谷埋め盛り土として記載 水田(旧版地形図より判読) 不明
宅地G(里塚1条) 可能性が高い(同上) 盛り土(同上)。札幌市大規模盛土造成地マップで盛り土地とされず 水田(同上) 当該地で2003年十勝沖地震で地盤変状の情報あり(近隣住民ヒアリング)
宅地H(美しが丘3条) 可能性が高い(同上) 盛り土(同上)。札幌市大規模盛土造成地マップで谷埋め盛り土として記載 水田(同上) 1968年と2003年の十勝沖地震で当該地付近で液状化報告あり
3カ所の微地形分類や土地利用履歴、液状化履歴などをまとめたもの。地域微動探査協会の横山芳春事務局長はこれらの情報から、3カ所の微地形を盛り土と判読した(資料:横山 芳春)

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