デザイン面でも改良の余地

 Apple WatchはwatchOSの進化に合わせ、ユーザーインターフェースのデザイン変更にも取り組み始めている。

 筆者は2018年9月、Apple Watchの新しいデザインについて取材する機会があった。アップルはその際、画面を拡大して角を落としたディスプレーをApple Watch Series 4で採用したことに伴い、フォントも変更したことを明かした。

 デザイン変更のポイントは、「大きくなったディスプレーを生かし、より多くの情報を得られる文字盤を、歴史的な時計作りからインスピレーションを受けて作り上げたこと」という。さらに「いつ見ても異なる表情を楽しめること」を挙げた。

 情報を一目で把握できるという腕時計の伝統的な役割と、いつ見ても異なる表情を楽しめるという腕時計の新しい価値を両立させるデザインを目指しているとのことだった。

watchOS 5で採用されたインフォグラフ文字盤。カスタマイズ性に優れる
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 しかし、インタラクティブ性という点では、まだ物足りない面が残る。例えばユーザーの予定や行動パターンに合わせて情報を提示してくれる「Siri Face」。最もApple Watchらしい体験を楽しめるが、デジタル時計の表示しか無く、カスタマイズ性に欠ける。アナログ時計の文字盤でも情報を届けてくれるデザインがあっても良さそうだ。

 こう考えると、Apple Watchにはハード、ソフト、デザインのそれぞれの面でまだまだ進化の余地がある。

松村 太郎(まつむら たろう)
ジャーナリスト
松村 太郎(まつむら たろう) ジャーナリスト・著者。1980年東京生まれ。慶応義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。キャスタリア取締役研究責任者として、教育とテクノロジーによる社会問題の解決に取り組み、プログラミング必修の通信制高校、コードアカデミー高等学校の設立などに携わる。近著は、『LinkedInスタートブック』(日経BP社)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP社)など。