米アップル(Apple)の2018年10~12月期決算は事前のガイダンス通り、売上高が前年同期比5%減となる843億ドルだった。中国市場の売上高が同27%減と落ち込んだことが大きく影響した。地域別の売上高は欧州が3%減、日本が5%減、米国が5%増、日本を除くアジア太平洋地域が1%増。今回、アジア太平洋地域の売上高が日本を上回り、今後注目すべき動きと言える。

 売上高を分野別に見ると、iPhoneを除いては非常に好調だった。Macは「MacBook Air」と「Mac mini」の投入もあり、前年同期比9%増。iPadも同17%増を記録し、フルモデルチェンジを図ったiPad Proの投入効果が存分に表れた。

 サービス部門も前年同期比19%増となっており、四半期決算で初めて100億ドルの大台に乗せた。ウエアラブル/ホーム/アクセサリー部門も同33%増と好調で、四半期ベースの売上高はMacに迫る規模へと成長した。

 やはり大きく足を引っ張ったのがiPhoneである。iPhoneの売上高は前年同期比15%減の519億8200万ドル。他分野の売り上げ増を全て帳消しにしただけでなく、全体を5%も押し下げるほどの減速となった。

iPhoneの売上高の推移
(米アップルの公開情報を基に筆者作成)
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不振を招いた3つの理由

 iPhoneの減速は事前のガイダンスでも伝えられていた。iPhone以外のビジネスは順調に伸びたとはいえ、iPhoneが全体の売上高に占める比率は62%と高い。スマートフォン依存のビジネスが依然として続いている。

全体の売上高に占める分野ごとの比率
(米アップルの公開情報を基に筆者作成)
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 アップルはiPhoneの不振について、3つの理由を挙げる。

 1つ目は、為替の問題だ。米ドル高が続き、中国を含む新興市場で価格が前年より上昇した。アップルはiPhoneの2018年モデルでiPhone XSは2017年モデルのiPhone Xと同じ999ドルから、iPhone XRはiPhone 8とiPhone 8 Plusの中間となる749ドルから、にそれぞれ設定した。米国市場では価格が上昇した印象は薄いが、米ドル高を背景に一部の市場で価格が上昇し、これが販売に響いた。

 2つ目は、端末買い替えサイクルの長期化だ。性能の向上や機能の充実により、iPhoneを頻繁に買い替えるメリットが薄れてきた。さらに2017年末の性能抑制問題に端を発したバッテリー交換サービスの提供が重なった。iOS 12ではアプリ起動速度の向上が図られ、5年前のiPhone 5sでも体感的なスピードがアップした。これにより、おさがりのiPhoneの活用も促進されたという。

 3つ目は、先進国市場における販売補助金の廃止だ。日本も例に挙げられたが、米国も同様である。例えば3年前に450ドルの補助金を受け、当時の最新モデルであるiPhone 6sを199ドルで購入したとしよう。補助金なしで2018年モデルに買い替えるとなると、最安のiPhone XRで4倍弱、iPhone XSで5倍以上に負担が重くなる。iPhoneを長く利用していれば、当然データも増える。より大きな記憶容量を選べば価格はさらに高くなる。

 こうして端末買い替えサイクルが長期化し、販売の勢いが弱まってしまう事態を招いているのだ。