日本企業の間ではやり言葉と化している「デジタル変革(DX:デジタルトランスフォーメーション)」。成功させるには、3つのステップに基づき進めたい。個別最適に陥らず、組織で継続して取り組む姿勢が欠かせない。

 日本企業が相次ぎデジタル変革に乗り出している。デジタル変革はAI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)をはじめとするデジタル技術を活用して、新たな事業やサービスの創出、顧客満足度の向上などを狙う取り組み全体を指す。

 だが、デジタル変革に組織としてどう取り組めばいいのかについては、各社とも手探りの状況だ。言葉の解釈や捉え方も企業によって異なる。

 企業に価値をもたらすデジタル変革を、組織としてどのように実践すべきか。この連載は事例を交えつつ、この点について説明する。組織や業務プロセスのあり方から投資や人材に関する戦略、CIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)の役割までカバーする予定だ。初回となる今回はデジタル変革のあり方と進め方を中心に取り上げる。

デジタル化で製品が「サービス」に

 デジタル技術を用いて、モノや人の振る舞いに関するデータを収集・解釈し、何らかの洞察や知見を導き出して活用する──。デジタル化はこれら一連の流れを指す。ここでいう振る舞いは物理的な行動だけでなく、人の感情や好みの移り変わりなどを含む。

 デジタル化によって、実空間における様々な企業活動をコンピューター上の仮想空間に再現できる。例えばモノづくりやサービス提供の状況を反映したモデルを仮想空間につくれば、観察や分析、制御が容易になる。データを豊富に集めればモデルの精度は高まり、より効果的に制御できる。

 デジタル化は製品そのものを「サービス」に変える役割も果たす。製品の販売・提供からサポートまでのライフサイクルを通じて、それぞれの顧客に応じたサービスを提供しやすくなる。顧客自身がサービスを修正したり他のサービスと組み合わせたりする「セルフサービス」も可能になり、新たな顧客体験をつくり出せるようになる。

 デジタル化の特徴を生かして顧客への価値を最大化するためには、デジタル変革が欠かせない。以下の3つのステップで進める。

デジタル変革の3ステップ
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