Webブラウザー「Internet Explorer(IE)」の進化が止まり、Webフロントエンド開発の足かせになっている。開発基盤であるWebブラウザーの最新事情に迫る。

 HTML5が国際標準化団体W3Cで勧告されたのは2014年10月のことだ。勧告は標準化を意味する。4年が過ぎ、Webフロントエンドの開発事情は大きく変わってきた。

 特に変化が激しいのがWebブラウザーだ。Internet Explorer(IE)の進化が止まり、Chromeなどのブラウザーが台頭してきた。合わせて、周辺技術も進化している。

モバイルファーストで進むレスポンシブWebデザイン

 Webコンテンツの開発は近年、「モバイルファースト」が当たり前だ。とりわけ一般消費者向けのWebコンテンツは、スマートフォンを無視することはできない。企業向けシステムであっても「スマートフォンでも利用できる」ことを要件にしているケースが増えている。

 モバイルファーストの浸透により、現在のWebコンテンツは、Androidに搭載されているWebブラウザーである「Chrome」とiPhone(iOS)に搭載されている「Safari」で想定通りに動作することがまず求められている。しかしモバイルファーストが浸透したといえども、パソコン(PC)向けのWebブラウザーをまるっきり考慮しないわけではない。

 そのため現在はスマートフォンでも、PCでも快適にコンテンツを利用できる「レスポンシブWebデザイン(RWD)」を採用したWebコンテンツ作りが当たり前となっている。スマートフォンとPCという異なる端末に対して、解像度や縦横比などを考慮して、動的にコンテンツの配置などを切り替える手法だ。RWDが実現できるのは、HTML5の標準化にともなって、CSS(Cascading Style Sheet)の標準化が進み、Webブラウザーが最新の標準技術をサポートしているからだ。

IE向けの開発は難しく

 RWDなどが登場するなかで、企業システム開発の現場ではまだまだ新しいWebコンテンツの作り方は普及していない。その一因が、企業システム開発の現場では「Internet Explorer 11(IE11)」を対象にしたプロジェクトがあるからだ。

 新しい技術を取り入れるには、Webコンテンツを表示する役割を担うWebブラウザーが重要になる。ところが企業システムではIE11でしか動作しないコンテンツが残っており、それに引きずられて、今なおIE11を前提とした企業システムのフロントエンド開発が行われているのだ。

 残念ながら米マイクロソフト(Microsoft)はIE11をWindows 10でサポートしつつも、IE11以降のIEを開発しないことを表明している。進化が止まったIEと、他のWebブラウザーとのギャップは広がるばかりだ。

 IE11を使い続ける問題点はほかにもある。IE11に対応していないJavaScript(JS)やCSSのライブラリー、フレームワークが出てきている点だ。近年のJS/CSSライブラリーは、最新のJavaScript APIやCSSに依存している。そのためIE11で不足する機能をエミュレートするJavaScriptライブラリーである「Polyfill」を使うことが一般的だ。ただしPolyfillで全機能を補完できるわけではないため、ライブラリーの主要機能をフルで利用することは難しい。

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