2012年12月に中央自動車道笹子トンネルで起こった天井板崩落事故をきっかけに、トンネルや橋など、世の中を支えるインフラ構造物の劣化を見抜く技術が注目されている。構造物に少なからず損傷を与えていた従来の検査手法に代わり、見えない劣化を非破壊で調べる技術の開発が加速している。日経 xTECHのバーチャル記者「黒須もあ(β)」が動画で解説した。(日経 xTECH編集部)

 こんにちは、日経 xTECH新人記者の黒須もあ(β)です。今回のテーマは、インフラの非破壊検査です。これまで、インフラの安全性や劣化状態を調べる検査では、構造物に専用のドリルで穴を開けて試料を採取する「コア抜き」や、構造物を支えるアンカーを直接引っ張って試験する「引張試験」などが一般的に行われてきました。こうした検査は人手やコストがかかるのに加え、対象となる構造物に少なからず損傷を与えてしまうという課題がありました。

 今回の動画では、特別ゲスト「非破壊戦隊コワサンジャー」をお呼びして、インフラを壊さずに検査する技術を紹介しています。

(非破壊戦隊のイラスト:山田 タクヒロ)

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 非破壊戦隊のメンバーは、動画で紹介した赤外線、弾性波、レーダー探査の他、光ファイバー、X線、中性子を含む計6人。「表面に出た傷を見落とさない」「構造物の内部を可視化する」「一度に広範囲を計測できる」など、それぞれ異なる“得意ワザ”を持っています。

 この他にも、新たな技術が登場しています。コニカミノルタは、独自開発した検査技術「磁気ストリーム法」で非破壊検査市場に参入します。橋桁に磁石を取り付けて内部鋼材の磁場を解析し、表面からは見えない破断を検知できる技術で、計測後すぐに解析結果を確認できるのが強みです。

 日本で培った技術を武器に、海外でインフラ非破壊検査の新市場開拓に挑む企業もあります。西日本高速道路会社の米国法人、ネクスコ・ウエストUSAは、赤外線を用いた橋梁の点検業務を2017年にバージニア州から受注しました。同社 取締役社長の松本正人氏は、日経コンストラクションのインタビューで、米国での事業拡大を通して、国内の土木技術者が国際的に活躍できる素地を作りたいと語っています。