中の人と一緒に電脳空間を体験する面白さ

 山中デスクは電脳空間で自分の体の認識に変化を感じたそうです。「ずっと見てきた自分の手が、マニキュアが塗られた細い指に変わったのを見て困惑した。変身願望が満たされる喜びを感じてしまった」と告白。その一方で「電脳空間で自分がどのようなリアクションをしているか分からない戸惑いがあった」ともコメントしました。

画面の中で体が突然「くの字」になる山中デスク(美少女)
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 これは実際にその通りで、電脳空間内の山中デスクはすーっと水平移動して素早くシロさんににじり寄ったり、飛びすさったり、変な風に手が動いたり、現実世界ではマイクに頭をぶつけたり、あらぬ方向を向いたりなどといろいろ動きがおかしかったのです。最後はまだ画面に姿があるにも関わらず、VRHMDを外してしまったので突然体がくの字になるというオチでした。実はこれ、初めて3Dアバターを操作する人にありがちな動作でVTuberなら誰でも通る道だったりします。

 ただ、通常のVTuberでは注意深く隠されている「中の人」が目の前に立つ形でこうした実演をしたことで発見もありました。会場に集まったみなさんにセッションの冒頭で尋ねたところ、ほとんどがVTuberを既に知っていました。このうち約半数がVRHMDなどを使って電脳空間でVTuberなどと出会う体験をしており、さらに全体の約1割は自らも3Dアバターになって、電脳空間で他のアバターと交流した経験がありました。

 つまり、当日の聴衆はかなり「濃いお客さん」だったわけです。そんな濃い聴衆でも、VTuberと中の人を同時に見た経験は少なかったはず。ぎこちない動きで戸惑いつつ、素のままの感想を口にする山中デスクの様子に、会場は大爆笑でしたが、一方で次第に「がんばれー」との声がかかる応援モードに変わったのが印象的でした。

 VTuberなど、3Dアバターを活用したバーチャルワールドのトレンドはまだ始まったばかり。これからどんな風に発展していくのか「ゾクゾクする」ような期待感があります。

 専門記者として取材を続けるのはもちろんですが、9月のセッションを機に、電脳空間に自ら関わり続けるのは、自分自身にとっても、日経 xTECHの読者のみなさんにとってもきっと面白いはずだと考えるようになりました。そこで創刊1周年記念の編集企画として、バーチャルワールドのトレンドに興味を持っている他の記者たちと共に、「黒須もあ」を立ち上げた次第です。

 黒須もあを是非、応援してください。