1926年竣工で、京都市の登録文化財第1号となった建物が、商業施設「新風館」として15年間活用された後、ホテルなどの複合施設に生まれ変わる。レンガタイルの外壁やアーチ梁などを生かしつつ、回遊性を高める。

 JR京都駅から烏丸通を約3km北上すると、右手の仮囲い越しにレンガタイルの外壁が見える〔写真1〕。NTT都市開発が再開発した商業施設「新風館」だ。かつては、アパレルブランドの「ビームス」などが入り、中央の広場では若者に人気の歌手がコンサートを行うなど、地域ににぎわいをもたらしていた。2001年に開業し、16年3月に閉館。17年10月から改修工事が進んでいる。

〔写真1〕仮囲いで覆われた新風館
京都市で19年秋開業に向けて再々開発が進む「新風館」。「外壁自体が街のシンボルとなって人々を引き付けるだろう」と、事業主のNTT都市開発楠本正幸副社長は言う。2018年4月撮影(写真:生田 将人)
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烏丸通から見た完成イメージ(資料:NTT都市開発)
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アジア初のホテルが入居

 再々開発の事業主はNTT都市開発で、設計・監理をNTTファシリティーズ、デザイン監修を隈研吾建築都市設計事務所、施工を大林組が手掛ける。敷地東側に地下2階・地上7階建ての建物を新築し、西側の保存建物と一体化する計画だ。地下1階~地上1階に商業店舗が、2階以上に米国・シアトル発祥のホテルブランド「エースホテル」が入居し、19年秋の開業を目指す〔図1〕。

〔図1〕東側にサブエントランスを新設
敷地東側の東洞院通から見た完成イメージ。前は東側に駐輪場などを配置していたが、再々開発ではサブエントランスを設けて入りやすくする(資料:NTT都市開発)
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 もともと新風館は、「旧京都中央電話局」を再開発したプロジェクトだった。旧電話局は、逓信省技師の吉田鉄郎設計で1926年に完成し、83年に京都市の登録文化財第1号に登録された建物だ。新風館では、烏丸通と姉小路通に面する西側だけを残し、東側は解体してコの字型の建物を増築。中心に広場を据えたロの字形の配置とした。NTTファシリティーズとリチャード・ロジャース・パートナーシップ・ジャパンが設計を手掛けた〔写真2〕。

〔写真2〕外観をオリジナルに戻す
上が旧京都中央電話局で、下が新風館。再々開発では、タイルの割り付けなどをオリジナルに近づける(写真:NTT都市開発)
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 NTT都市開発の楠本正幸副社長は、「計画当時、敷地がある烏丸御池のエリアは人通りが少なく、京都駅からも離れていたので大規模な再開発をしても事業性を見込めなかった。10年後に再々開発することを見据え、暫定的な開発として新風館をつくった」と説明する。

 その後、2008年に世界的な金融危機が発生したことなどを受け、営業を16年まで延長。その間、新風館の周囲にも路面店などが目立つようになり、徐々に観光客を中心に人の流れが増えていった。「4年ほど前からエースホテルをはじめ、複数の外資ホテルブランドから提案を受け、満を持して、本格的な再々開発に踏み切ることができた」(楠本副社長)

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