東日本大震災で富士通のデスクトップパソコンの生産拠点、富士通アイソテック(福島県伊達市)は大きな被害を受け、生産が停止した。そのわずか12日後、島根富士通が代替生産を開始する。その事業継続計画(BCP)策定の責任者を務め、その後コンサルタントとして活躍する筆者が、組立加工製造業におけるBCPの在り方を解説。富士通アイソテックと島根富士通の両工場での事前対策は、共通の生産設備の準備ではなく、平時における両工場間での業務標準化や設備共通化といった改善活動だった。(日経 xTECH)

 東日本大震災において、筆者が所属していた富士通グループのデスクトップパソコンの製造拠点である富士通アイソテック(福島県伊達市)は工場が大きな被害を受け、2011年3月11日から生産活動を停止した(図1)。しかし富士通は、デスクトップパソコンの製造をノートパソコンの製造拠点である島根富士通(島根県出雲市)へ移管し、わずか12日後の3月23日にデスクトップ機の製造を島根で再開した。

図1 東日本大震災で重大な被害を受けた富士通アイソテック
富士通は島根富士通での代替生産を決定、わずか12日後に実施した。(出所:富士通アイソテック)
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 富士通のパソコン事業のBCP通りの行動だったが、両工場での事前対策はデスクトップ機とノート機の両方が製造できる設備の準備ではなく、平時における両工場間での業務標準化や設備共通化といった改善活動だった(どこに差異があるかも明確になっていた)。この改善活動の継続が危機発生時の迅速な対応に直結したのであり、これこそが平時の競争力強化とBCPを一体化した事例と言えよう。

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