平成の30年間、日本は幾つもの巨大災害に見舞われた。その教訓は生かされているのか。積み残された課題は何か。ポスト平成が始まろうとしている今、災害に克つ技術に迫る。

 北海道胆振東部を最大震度7の地震が襲った直後、セブン-イレブン・ジャパンの西村出システム本部システム企画総括マネジャーは、自宅ですぐにパソコンを確認した。2018年9月6日早朝のことだ。ブラウザーに表示された北海道地図の上に現れた約1000の店舗。セブン-イレブンの「7」のアイコンが停電を示す黄色に染まっていた。西村氏が確認したのは、同社の災害対策システム「セブンVIEW」だ。

北海道の店舗所在地のすべてが、震災直前の午前3時には正常の「緑」だった
画像提供:セブン-イレブン・ジャパン(以下、同じ)
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3時30分にはアイコンのほとんどが「停電」を示す黄色に。震源地に近い一部の店舗は、緑のアイコンの下に赤い線が付いた「回線障害」になった
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 セブンVIEWは、店舗の電源状況やトラックの運行状況などをGoogle Map上に表示するシステムだ。北海道胆振東部地震が起きた後すぐに全道ブラックアウトという史上初の状況となり、店舗の外部電源がほぼすべて喪失。震源地に近い帯広方面は回線障害を表すアイコンが表示された。こうした情報を迅速に得られる体制は、一朝一夕にできたものではない。

一瞬で被害エリア把握

 全国で160の専用工場、配送センタートラック6000台、約2万店の店舗とそれを支える2800人の営業担当――。セブン-イレブン・ジャパンは現在、店舗や工場、それらをつなげる配送センターから収集した情報を、災害時の被害把握に役立てている。

 セブン-イレブン・ジャパンが、店舗のUPS(無停電電源装置)の稼働状況を活用して、被害エリアやその状況の把握を始めたのは2007年7月の新潟県中越沖地震がきっかけだった。2005年4月に全店舗に整備したUPSの情報は、もともとは開発元のNECとコールセンターが把握していた情報だった。それを使えば、災害時に店舗の停電状況を知ることができ、災害の規模を推定できるとの仮説を立て、経営や災害対策本部にUPSの情報を報告する人的運用を開始した。

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