パネルディスカッション
「世界×日本、経営×技術。会社を強くするために、経営者と技術者が今すべきことを徹底討論する」

モデレーター:藤田俊弘 セーフティグローバル推進機構理事
パネリスト:向殿 政男 セーフティグローバル推進機構会長、明治大学名誉教授
Hans-Horst Konkolewsky Secretary General、ISSA(International Social Security Association:国際社会保障協会)
Thomas Pilz 独ピルツCEO
星野晴康 トヨタ自動車安全健康推進部安全衛生室主幹
河田孝志 清水建設土木技術本部常務執行役員本部長
阿部研二 中央労働災害防止協会常務理事

パネルディスカッションの様子
左から、モデレーターの藤田氏、パネリストの星野氏、Pilz氏、Konkolewsky氏、向殿氏、阿部氏、河田氏。
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藤田:本日は、ISSAのKonkolewsky氏を招へいし、この東京タワーの麓で、世界中で賛同の輪が広がっている「Vision Zero」のジャパン・ローンチをついに実現した。さらに、ドイツ・ピルツ(Pilz)のPilz氏には、世界の潮流であるIndustry4.0の中での安全の考え方やドイツの取り組みについて、我々日本が提唱する協調安全の視点を踏まえて解説してもらった。このパネルディスカッションでは、こうした世界の経営面、技術面における2大潮流の中で経営者と技術者は何をすべきかを考えていく。そこでまずは向殿先生に、本日のシンポジウムを振り返っていただきたい。

向殿:私が提唱する未来安全構想では、「安全はトップダウンで推進する」「安全はコストではなく投資である」など8つのコンセプトを掲げている。本日、Konkolewsky氏からVision Zeroの「7 Golden Rules」の話を聞き、両者はまさに方向性を同じくしていると感じた。ただ、未来安全構想では「安全」と「健康」を考慮しているが、Vision Zeroではそこにさらに「幸福」を加えている。昨今の国連SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の流れや日本の「働き方改革」の目線でも、このVision Zeroの「安全」「健康」「幸福」の統合的アプローチはとても素晴らしいと感じる。

 さらに今回のシンポジウムを通して強く感じたことが3つある。第1は、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things)といった最新技術を安全に活用しない手はないということ。第2は、トップがコミットメントしなければ安全構築は進まないということ。第3は、これからは機械が知能を持ち、人間と環境と協調して安全を実現する協調安全の時代、技術的にはSafety2.0の時代に入るということだ。そして、こうした新しい流れの中で、2018年に発行した、労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格であるISO45001は、未来安全構想やVision Zeroを推進する上で非常に有効なツールとなり得ると改めて感じた。

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