2018年度の技術士第二次試験も、17年度と同様の内容・日程で実施される。口頭試験も含め、試験時間や問題の種類、配点は変わらない。試験制度の改正は19年度以降になる見込みだ。17年度の建設部門の筆記試験合格率は、前年度を0.4ポイント下回る13.8%の難関だった。出題の傾向が読み取れる18年度に、合格を勝ち取ろう。(日経コンストラクション)

5Doors’代表
堀 与志男

1.2017年度の出題傾向

 2017年11月に発表された技術士第二次試験実施大綱や日本技術士会が発表した「技術士第二次試験の実施」の内容などを踏まえると、18年度の技術士第二次試験の出題形式や出題数は、17年度と同様になるとみられる。受験申し込みから口頭試験までの流れも、特に変わっていないので従来通りと考えてよい。

 17年度も、択一式の合否による足切りが実施された。択一式が合格基準に達しなかったために、記述式答案の採点を受けられないまま不合格になった受験者もいた。それだけに、18年度も択一式に合格するための対策にも注力する必要がある。

 ここからは、17年度の試験問題をひもときながら、その出題傾向を解説していく。

(1)必須科目I(択一式)

 択一式の問題は全20問が出題される。受験者はこのうち15問を選んで解答し、9問以上を正解すれば合格となる。17年度は過去の出題と同様に、選択肢の一部に国土交通白書の記述内容や過去問の類似問題を用いた出題が多かった。試験対策において、国土交通白書や過去問が重要である点に変わりはない。

 図1は、17年度の択一式の出題内容だ。枠内を着色した部分は、過去問と類似しているか、選択肢の一部が全く同じ問題だった。赤字は国土交通白書2016に記載された内容が、そのまま出題された部分だ。

図1 ■ 択一式の出題内容と出典
問題番号を太字にしたセルは過去問題と類似した項目、太字のテーマは国土交通白書2016からの出題
問題番号 テーマ
I-1 交通事故死亡数建設業就業者、維持修繕工事割合、訪日外客数、貿易収支
I-2 官民連携、インフラ海外展開インフラメンテナンスi-Constructionインバウンド観光
I-3 ダンピング受注防止、JISQ9001、CM、コンクリート工の生産性向上、調査設計の品質
I-4 NETIS、PFI、ICT工事、維持管理費の低減、性能規定化
I-5 国土形成計画法、地域再生法、半島振興法、三大都市圏整備計画、国家戦略特別区域法
I-6 都市再生特別措置法
I-7 環境影響評価法
I-8 部門別二酸化炭素排出量(グラフ)
I-9 火山対策、災害対策基本法、首都直下地震対策、気候変動適応計画、国連防災世界会議
I-10 自主防災組織、ハザードマップ、業務継続計画、避難勧告ガイドライン、被災者生活再建支援法
I-11 再資源化・縮減率、下水汚泥のリサイクル率、低炭素型静脈物流促進事項、木材の利用促進、建設発生土
I-12 建設投資額、建設業許可、コンセッション方式、営業利益率、建設機械導入台数
I-13 道の駅整備新幹線LCCクルーズ人口、コミュニティーバス・デマンド交通
I-14 バリアフリー法
I-15 防災減災情報インフラ、Lアラート、データセンター、技術開発、ITによる減災
I-16 JISQ9000シリーズ
I-17 水力発電、地熱発電、風力発電、バイオマス発電、太陽光発電
I-18 AE剤、主働土圧、圧密、パスカルの定理、レイタンス
I-19 単価包括合意方式、グリーンインフラ、ISO55000、単位水量、女性技術者
I-20 コンクリート材料分離、ネガティブフリクション、LRTインフラメンテナンス国際会議CIM

 ただし、過去問から出題された問題については、選択肢の順番を入れ替えたり、正誤を逆にしたりするといった加工が施されていた。

 出題の一例を見てみよう。図2は17年度の建設部門I-18で出題された問題だ。これは06年度のII-1-17とほぼ同じ問題になっている。選択肢の順番が同じで、06年度に正解だった選択肢を不正解にした。

図2 ■ 17年度択一式I-18と06年度択一式II-1-17の出題比較
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 全ての選択肢ではないにしても、このような格好で出た類題は20問中8問を占めた。I-18のような改題に対して、「たったこれだけの変化か」と思う人は多いかもしれない。ただ、内容をしっかりと理解、記憶していなければ、これだけでも難度は上がるものだ。「単に過去問を解いていればいい」という勉強方法は見直さなければならない。

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