米ナイキの成長を支えるのが5種のスマートフォンアプリだ。サーバーサイドも合わせると毎日何度も機能を更新し、新技術を積極的に取り入れている。その開発体制に迫る。

 米ナイキは世界に1億人以上のユーザーを抱えるスマートフォンアプリで得た情報を基に、顧客一人ひとりに合わせた情報提供や販促につなげている。スマホアプリの継続利用を促すため、先端技術を用いた新機能を投入してきた。最近の代表例が、ランニングや筋力トレーニングなどのスポーツ仲間を見つけるフレンド探し機能だ。

 同社のシニアエンジニアリングマネージャーであるマーク・ヴァンゲンハイム氏は、米アマゾン ウェブ サービス(AWS)が2018年11月26日(米国時間)から同月30日にかけて開催した年次イベント「re:Invent 2018」のセッションに登壇。フレンド探し機能で採用した先端技術について明らかにした。

米ナイキのシニアエンジニアリングマネージャーであるマーク・ヴァンゲンハイム氏
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 フレンド探し機能は、AWSが2018年5月に一般提供を始めた、グラフデータベース(DB)のクラウドサービス「Amazon Neptune」で実現している。

 グラフDBとは、階層構造やメッシュ構造といった「グラフ構造」を持つデータを高速に検索したり処理したりするDBである。人と人のつながりを表す「ソーシャルグラフ」などが、グラフ構造のデータの代表例だ。

Neptuneによるグラフ構造のデータモデル
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1億5000万件以上の関係を保持

 例えばナイキのランニング記録アプリ「Nike Run Club(NRC)」のフレンド探し機能を使うと、ランニング記録の類似度のような条件で選ばれた別のユーザーが瞬時に画面表示される。ヴァンゲンハイム氏によると、応答時間は1秒未満という。

 表示されたユーザーにはフレンド申請が可能だ。「フレンドと走行記録を競い合えるので、ユーザーはアプリを使って走りたくなる」とヴァンゲンハイム氏は話す。

ランニング記録アプリ「Nike Run Club(NRC)」のフレンド探し機能
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 NRCのフレンド探し機能を使っているユーザーは世界で2500万人以上おり、Neptuneによって1億5000万件以上の関係をグラフ構造のデータとして保持しているという。フレンドに関するデータはNRCにとどまらず、ユーザーの許可を得てFacebook、LINE、WeChatといったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)とも連携して収集している。

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