揚水機場に騒音対策を施したのに、効果はほぼゼロ――。騒音の発生源や伝搬経路の究明などが不十分だったため、適切な対応ができていなかった。

 問題があったのは、山形県が2015年度に建設した戸沢村戸沢地区の揚水機場だ。揚水ポンプなどのある建屋から外に漏れる騒音が想定以上に大きかったため、翌16年度に換気扇を低騒音型のものに交換。17年度には、吸音効果のある厚さ50mmのグラスウールを建屋の地下や地上階の壁面に設置した。

 農林水産省監修の「土地改良事業計画設計基準及び運用・解説―設計『ポンプ場』」や日本音響材料協会の「騒音・振動対策ハンドブック」(以下、両者合わせて設計指針)などは、騒音対策に当たって(1)騒音の発生源や特性、伝搬経路などを明らかにしたうえで各機器の騒音低減を図る(2)設計段階で想定できない騒音が発生した場合には、発生原因を突き止めて適切に処置する――といったことを求めている。

 揚水機場は、「静穏の保持が求められる住宅地」に当たる騒音規制法の第二種区域にある。県はそれを踏まえ、設計指針などに従って、想定する上限の「設計騒音値」を45dB(デシベル)に設定。建屋の外の騒音値が1日を通じて設計騒音値を超えないように揚水機場を設計した。

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