香川県三豊市が造成したブロック積み擁壁で、前面に施した盛り土から受ける土圧の扱いを間違えたため、安定性を欠く状態となった。設計の際、「擁壁背後の地山から受ける土圧に対する抵抗力と見なせる」と誤って認識していた。

ブロック積み擁壁の概念図
(資料:会計検査院)
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 問題の擁壁は、台風で被災したため池の復旧事業として、市が15~16年度に整備した。高さ3.6mで、延長は14.5mに及ぶ。

 市から委託された設計者は、洗掘対策として擁壁前面にセメントを添加した改良土で盛り土を行うことにした。転倒や滑動に対する安定を検討する際には、この盛り土から擁壁前面が受ける「受働土圧」を、擁壁背面が地山から受ける「主働土圧」に対する抵抗力と見なして安定計算を実施していた。

 しかしこの設計には、農林水産省監修の「土地改良事業計画設計基準及び運用・解説―設計『水路工』」(以下、基準)の規定に反する点があった。

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