日本発の医療機器を生み出すには、生体情報モニタ初号機に学ぶ

2019/12/04 05:00
久保田 博南=ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

 日本の医療機器産業が欧米の後じんを拝している現況は、今に始まったことではない。特に治療関連機器の開発や商品化の遅れが指摘されている。顕著な例としては、心臓ペースメーカをはじめとする循環器用治療機器や、「da Vinci Surgical System」(ダビンチ)に代表される手術支援ロボットなどがあるだろう。

 もちろん全世界で40万品目もある医療機器の中には、日本発の機器も存在する。一般的な医療機器のうち、日本が得意とする分野は検査機器である。日本発の好例のとして挙げられるのが、前回のコラムで紹介したパルスオキシメータだ。もう一つ挙げるとすれば生体情報モニタがあるだろう。いずれも日本光電工業がゼロから開発した製品で、「新規性」「実用化」「着想」などの点が優れている。

 世界初の生体情報モニタは、麻酔博物館(神戸市)に展示されている。この初号機は、1965年に日本光電工業が製造したものの1台で、実在する唯一の商品と思われる。医療機器の歴史からすれば比較的古い製品だが、現在でも生体情報モニタは臨床用医療機器として中心的な役割を果たしている。日本の開発品であることは、あまり知られていない。なお、薬機法(医薬品医療機器等法)では「生体情報モニタ」、医学用語としては「生体情報モニター」と表記する。

図:生体情報モニタの原型モデル
(出所:麻酔博物館)

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