日経 xTECH(およびその前身のITpro)では、長期休暇の前に「○○スペシャル」と称した特別版の記事を掲載している。普段よりもテーマの幅を広げたり、エンターテインメント要素を盛り込んだりして、より多くの人にサイトに来訪してもらうのが狙いだ。

 その記事作成の一環としてネタを探していたところ、ちょうど良い(とそのときは考えた)題材に思い当たった。古いパソコンのソフトのバックアップである。古いといっても、10年前や20年前ではない。1980年代に一世を風靡した、MSX規格のパソコン用のカセットテープ版ゲームソフトである。

筆者の手元にある1980年代の8ビットパソコン規格「MSX」用のカセットテープ版ソフト。入手の経緯は全く覚えていない
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 日経 xTECHの読者の多くは「カセットテープ版ソフト」という単語を目にしても「ああ、アレね」で済むかと思うが、念のため説明しておこう。

 カセットテープは、1970年代後半から1980年代半ばにかけては、パソコン(マイコンとも呼ばれていた)のストレージメディアとしてメジャーな存在だった。パソコンにデータレコーダー(カセットデッキ)を接続して、テープを装着。市販ソフトが記録されたテープを再生してパソコンに読み込んだり、自作したプログラムをテープに録音(保存)していた。

 プログラムを読み書きするにはテープを早送りしたり、巻き戻したりして「頭出し」をする必要があった。読み書きの速度も遅かった。それでも、フロッピーディスク(FD)のドライブやメディアが高価だったその当時は、個人用のパソコンではカセットテープが主力のストレージだったのだ。

原因はメカかテープか、ソフトがロードできなくなった

 バックアップを思い立ったのは、手持ちのカセットテープ版ソフトがロードできなくなっていたからだ。

 筆者の手元にあるのは、先に写真で紹介した販促用のMSX用カセットテープ版ソフト。入手経緯は忘れてしまったが、改めて検索サイトで調べてみたところ、どうやら東芝が1980年代に販売していたMSX規格のパソコン「パソピアIQ」の販促用に、マイクロキャビンが制作したもののようだ。

 テープに収録されているのは、グラフ作成ソフトの「T-GRAPH」とゲームの「ミステリーハウス1(以下ミステリーハウス)」「ポーラスター」。ミステリーハウスはパソコンゲームの黎明(れいめい)期に、グラフィックス付きのアドベンチャーゲームとして話題になった。ポーラスターは、見下ろし型の3D風視点とスクロールが目新しかったシューティングゲーム。いずれも時代を築いたゲームソフトである。

 実のところ、これらのソフトが読み出せなくても、筆者の生活に支障は無い。しかし、貴重な1980年代のソフトだし、このまま使えなくなるのも(元パソコン記者として)何となく悔しい。そこでバックアップにトライすることにした。

今回の記事では「ゲームソフトの複製」を取り扱っているが、これは家庭内などの限られた場所で個人的に使用することを前提としている。著作者の許諾を得ずに、私的使用の限度を超えて複製したり、頒布・貸与・公衆送信したりすることは、法律上認められていない。バックアップの取り扱いには十分注意する必要がある。