平成最後の冬休み、2018年/2019年の年末年始はまとまった休みを取れる人が多いのではないだろうか。長めのお休みに「普段はできない読書を」と思う方のために、技術ジャーナリスト松浦晋也さんにふだん出会えない本を薦めてもらった。後編は技術と政治、マスコミ、事故そして経済との関係をひもとく本を紹介していただく。


松浦晋也さん(写真:大槻純一)

 平成最後の年末年始。そこで読むべき本10冊を紹介するコラムの後編である。前回は良い本に出会い「普段はできない読書をする」ために「自分から出る/離れる」手法の1つとして公共の図書館を利用することを皆さんにお勧めした。

 しかし「なぜ図書館なのか。大規模書店でもいいではないか」と思われる方もいるだろう。確かに大規模書店に行き、書棚の間をぶらぶらする方法でも今まで知らなかったジャンルの様々な本に出会える。しかし実は大規模書店には大きな欠点がある。比較的新しい、現在流通している本中心の品ぞろえになっている点である。言葉を変えて言うと「今は絶版となって書店に売っていない本も図書館なら見つかる」のだ。

 新刊が良い本とは限らない。また自分にとっての価値が高い本が、過去に出版された書籍の中に存在する可能性はある。そういう本と出会うためには図書館に行くのが一番簡単だ。図書館はその蔵書として過去から継続的に「良い本」を収集し続けているからだ。

絶版書を探すなら電子書籍もお薦め

 もちろん、今は絶版の名著を購入する場としては古本屋という選択肢も存在する。東京の神田神保町(千代田区)は世界的にも見てもまれな大規模な古本屋街だ。東京近郊にお住まいの方は、休みの一日を神保町の散策に充てる、というぜいたくを楽しんでもよいだろう。ただし、財布には十分な“軍資金”を用意してから赴くべきだ。

 最近では電子書籍で過去の絶版本を再版する試みも始まっている。最大手のAmazon Kindleだけではなく、意識して特徴的な品ぞろえにしている規模の小さい電子書店をチェックしたい。個人的には小さい電子書店のほうが思わぬ掘り出し物が見つかりやすいと思っている。“寄らばKindleの陰”ではなく様々な電子書店のアカウントを作り、本を探してみてほしい。

 本を愛する人ほど、本の所有にこだわり、「どこの電子書店が一番大手で潰れそうもないか」を気にする傾向がある。が、本はまずなにより「必要とするときに読める」ということが一番だ。今すぐに読めるという電子書籍の利点をフルに活用して新しい本と出会ってみよう。

 では後半5冊の紹介に入ろう。今回は「技術」にプラスして「政治」「マスコミ」「事故」そして「経済」を考える5冊を紹介する。

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