寝不足が蓄積された状態を指す「睡眠負債」が社会的問題になっている。日経 xTECHは、ITや電子・機械、建築・土木などのエンジニアを対象に、睡眠実態について独自に調査した。エンジニアの驚くべき睡眠事情とは。

 「睡眠負債をため込むと、思考力や記憶力が落ちて、仕事のミスが増える。モチベーションの低下やうつ病の原因にもなる。がんや肥満、糖尿病といった病気の発生リスクも高くなる」。睡眠研究の第一人者である、睡眠評価研究機構の白川修一郎代表はこう指摘する。寝不足は恐ろしい。

 では、日経 xTECHの読者であるエンジニアは普段、十分に眠れているのだろうか。2018年11月後半に約2週間実施したアンケートでは、「あなたは平日、十分に眠れていると感じていますか?」と聞いた。最も多かったのは「どちらかといえば眠れていない」(38.7%)だった。「十分眠れていない」は26.0%。6割以上のエンジニアが「睡眠不足」と感じている。一方、「十分眠れている」は6.9%、「どちらかといえば眠れている」は27.9%だった。

あなたは平日、十分に眠れていると感じていますか?
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 それでは実際の睡眠時間はどれくらいか。「あなたは平日、何時間寝れていますか?」との質問に対して、最も多かったのは「5時間以上~6時間未満」(38.2%)。以下、「4時間以上~5時間未満」(24.7%)、「6時間以上~7時間未満」(21.6%)と続いた。この割合は、性別や年代、既婚/未婚の違いにかかわらず、傾向はほぼ同じだった。

あなたは平日、何時間寝れていますか?
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 睡眠負債をためないために必要な睡眠時間は、1日7時間といわれている。7時間以上と回答した件数を合計すると、全体のわずか6.3%にすぎなかった。逆に、睡眠負債が深刻になるという6時間未満の回答を合計すると、実に71.7%に達した。ほとんどのエンジニアは間違いなく、睡眠負債を日々蓄積していることが改めて判明した。

 この結果は、一般的な睡眠の調査結果に比べて「圧倒的に悪い」(白川代表)というから、ただごとではない。厚生労働省が2018年9月に公開した「平成29年『国民健康・栄養調査』」によれば、日本人の1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は、男性で36.1%、女性で42.1%。厚労省の調査結果と比較すると、6時間未満の割合が71.7%を占めるエンジニアは、相当深刻な寝不足状態であることが分かる。世界的に見ても、日本人は睡眠時間が短いとされているが、中でもエンジニアの睡眠時間の短さは「異常」といえる状態なのかもしれない。

 エンジニアの約7割が6時間未満の睡眠しか取らずに仕事をしているという実情について、白川代表は「あまりにひどい状況。毎日の睡眠が6時間未満では、心身に悪影響を及ぼすリスクはかなり高まる。エンジニアの多くは頭が十分に働いていない状態で、無理やり仕事を続けていると思われる。業務効率は落ちる一方だ」と指摘する。早急に改善しなければならない。

 「あなたにとっての適正な睡眠時間は何時間だと思いますか?」という質問に対しては、「7時間以上~8時間未満」が43.7%と最も多く、「6時間以上~7時間未満」(30.8%)、「8時間以上~9時間未満」(13.6%)と続いた。多くのエンジニアも7時間前後は眠りたいと思っている。だが実際には、自分が望むほどは眠れていないという、エンジニアの苦しい生活が透けて見えた格好だ。

あなたにとっての適正な睡眠時間は何時間だと思いますか?
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