住宅の耐震性能の確保で重要な役割を果たす面材耐力壁。施工時のくぎのめり込みは、その強度にどの程度影響を与えるのか。まずは静的加力試験を実施した結果のグラフを見ながら、全体の傾向を分析する。

 厚さ9mmの構造用合板を正しく施工した耐力壁の結果から見ていく。くぎのめり込みが0mmの状態だ〔図1〕。グラフを見やすくするために、規定の変形角まで加力を3回繰り返した結果のうち、初回の往復分の軌跡だけを変形角ごとに抽出した。

〔図1〕試験体に加わる荷重と変位の関係は逆S字に
逆S字とS字で描かれた線が、試験体に加力した際の軌跡だ。各ピークは、規定変形角まで加力した状態を表している(資料:日経ホームビルダー)
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 逆S字とS字形のループ状の線は、一定の変形角で加力した際の荷重と水平変位の軌跡だ。プラスが試験体を正面に見て左側、マイナスが同じく右側への変位を意味する。プラス側で最も右側にあるループの頂点が、いわゆる木造住宅の安全限界に規定される変形角、30分の1ラジアンでの変位だ。

 右側に伸びている線は、30分の1ラジアンの変形で1往復した後、水平変位が200mm(約14分の1ラジアン)に到達するまで加力した際の軌跡を示している。

 このグラフに、くぎのめり込み量が0mm以外の4つの試験体の結果を重ねたのが図2だ。図1で示した0mmの場合のグラフと同様に、1往復時の軌跡を抽出してプロットした。

〔図2〕くぎのめり込み量3mmと4mmの試験体に異変
5つの試験体の結果を重ね合わせて比較すると、くぎのめり込み量が3mmと4mmの試験体は途中で耐力が低下していると分かる(資料:日経ホームビルダー)
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