静的加力で200mmまで検証

 静的加力試験では、試験体の中心から左側(プラス側)と右側(マイナス側)のそれぞれに、一定の変形角まで加力する動作を繰り返し、荷重と水平変位を測定した。変形角の大きさは、450分の1ラジアンから順に300分の1、200分の1、150分の1、100分の1、75分の1、50分の1ラジアンまで変えていく。各変形角とも3回の正負(3往復)の加力を繰り返して測定する。その後、建築基準法で定める木造の安全限界である30分の1ラジアンになるまで加力。1往復だけ計測して、以降はプラス側の水平変位が14分の1ラジアン相当の200mmとなるまで加力し続けた。

 荷重と水平変位は1秒ごとに測定・記録して軌跡をまとめた。通常の試験では、1種類につき試験体を3体作成して検証するが、今回は、1種類につき1体ずつの条件で実施した。

 試験後は初期剛性や構造特性係数、壁倍率などを算出して比較。ただし、耐久性や使用環境、施工性の影響などを勘案するための低減係数を使わずに壁倍率を算出した。

 試験体を装置から外した後、構造用合板を剥がして、縦材や横架材に残ったくぎの本数を記録した〔写真5〕。くぎが残っている箇所は、くぎが構造用合板から抜けるパンチングアウト(パンチングシア)か、くぎが合板を引きちぎるような現象が生じた箇所だ。これらの箇所も比較しながら、くぎのめり込み深さと耐力の関係を検証した。

 次回から、実験結果とその分析について詳細を伝える。

〔写真5〕くぎの数を計測
くぎのめり込み深さと耐力の関係を調べるために、実験後の躯体を解体してパンチングアウトの状況を確認した。軸材に残されたくぎの箇所にマーカーで印を付けて数えた(写真:澤田 聖司)
[画像のクリックで拡大表示]