実際の施工現場を想定

 試験体は材の芯から芯の間で、幅1820mm、高さ2730mmのいわゆる2Pサイズだ。柱脚固定式で、柱脚の先行破壊を防ぐ目的でタナカ製のホールダウン金物35kNを使用した。「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」の試験方法を参考にしてホールダウン金物のボルトを締めた後、1度緩めて、再度トルクレンチを使って5Nで締め直している。

 試験体の材の樹種は、実際の現場で使用している樹種を参考に、柱、半柱、間柱はスギ、土台はベイツガ、梁はベイマツを採用した。軸材は人工乾燥材(KD材)を用いている。柱は105mm角。梁せいは180mm、土台の高さは105mmだ。合板は厚さ9mm、幅910mm、高さ2730mmのいわゆる3×9板を2枚使用した。合板の仕様は、最近の現場では一般的な構造用合板の1つである全層ベイマツの4プライ(4層)を採用。合板を留め付けるくぎは、タナカ製のN50くぎを使用している。縁から12mm離れた位置から150mmピッチで打ち込んだ。

 試験体はくぎのめり込み深さを変えて5つ準備した。くぎのめり込みがない(0mm)物、1mmめり込んだ物、3mmめり込んだ物、4mmめり込んだ物、縦材(柱、半柱、間柱)のみ3mmめり込んだ物の5種類だ。

 縦材だけくぎをめり込ませた試験体を作成したのは、現場で起こり得る状況を想定したためだ。堅い土台へのめり込みに配慮してくぎ打ち機の空気圧を調整した状態のまま、柔らかい縦材にくぎを打ち込むと、くぎがめり込みやすくなる。

 くぎの施工は空気圧式のくぎ打ち機を使った。一番弱い空気圧で打ち込み、その後げんのうでくぎをたたいて、合板にめり込まないように施工した。1mm以上めり込ませた試験体を作成する際には、くぎ締めを使用してさらにげんのうでたたき、くぎをめり込ませた。めり込みの深さは、ノギスで測定しながら1mm単位で調整した〔写真4〕

〔写真4〕くぎ締めを使い1mm単位で調整
試験体は2Pサイズの躯体を用意。空気圧式くぎ打ち機で丁寧に施工し、めり込み深さを再現するために、くぎ締めを用いた(写真:澤田 聖司)
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