コールセンターを迅速に作れる――。こんな期待から、「Amazon Connect」と呼ぶAWSのサービスに関心が高まる。既に使いこなして成果を上げた日本企業の実例に迫る。

 「これは本当に破壊的なサービスだ。コールセンター事業者は戦々恐々としているのではないか」。琉球銀行の伊禮真営業統括部メディア戦略室室長は米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のコールセンター向けサービス「Amazon Connect」をこう評する。

AWSを活用し支店の電話対応業務を効率化
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 琉球銀行は70以上ある支店の電話対応業務を効率化するためConnectを導入した。顧客からの電話による問い合わせの1次対応を集中化する体制を構築中だ。それまでは各支店で個別に対応していた。Connectの国内採用事例が少ないなか独学でノウハウを習得し、3支店で試した。AWSのAI(人工知能)サービスとConnectの連携も想定する。

 Connectは自動音声応答(IVR)、着信自動分配(ACD)といったコールセンター向けの機能に加え、サーバーや通信回線といったインフラまで従量課金で提供するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)だ。初期費用は不要で、ユーザーは繁閑に合わせた柔軟な運用ができる。AWSは従来、オーストラリアのシドニーリージョン(広域データセンター群)を使って日本向けサービスを提供してきたが、2018年内にも東京リージョンで提供する。

1日200件の電話対応業務を軽減

 琉球銀行の営業統括部ITチャネル戦略室に所属し、Connect導入プロジェクトをけん引する喜納兼次郎氏は電話対応業務を集中する狙いをこう語る。「顧客からの問い合わせが多い支店だと月末などの繁忙日には1日平均200件の電話があり、対応しきれないケースがあった。各支店の電話対応業務の負担を減らすことが経営課題の1つになっていた」。

 課題解決のためConnectを導入するとともにコンタクトセンターの専任チームを設置し、電話での問い合わせの1次対応を集中的に担う体制構築に乗り出した。Connectを選んだのは「従量課金なので初期投資が少なくて済むのに加え、将来的にAWSの自然言語処理などのAIサービスを使ってコールセンター業務の自動化・効率化を図れる点を評価した」(喜納氏)から。オンプレミス(自社所有)環境に比べて「PCがあればどこでも使えるので組織変更が多い銀行に向く」(同)との利点も挙げる。

 2017年11月にAWSのシドニーリージョンを使い、Connectの検証を始めた。喜納氏はブログなどの情報を基に独学でノウハウを習得し、問い合わせ業務のフローを構築した。基本的な電話対応の業務フローの設計・実装は1週間で完了。「業務を把握していてAWSに詳しい人なら1日もかからない」(同)。

Connectで作成した問い合わせ業務フロー
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