コールセンターを迅速に作れる――。こんな期待から、「Amazon Connect」と呼ぶAWSのサービスに関心が高まる。既に使いこなして成果を上げた日本企業の実例に迫る。

 多くの企業のコールセンターで導入されている自動音声応答システム。このシステムを米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のコールセンター向けサービス「Amazon Connect」を利用して構築したのが、オンラインチケット販売を手掛けるイープラスだ。

 イープラスは2018年2月、オンプレミス(自社所有)で構築していた自動音声応答システムをAmazon Connectを利用した新システムに刷新した。システム構築を担当したイープラスの尾崎欧州システム部システム開発グループエキスパートは「オンプレミスで刷新した場合に比べて初期導入費用を95%、運用費を90%減らせた」と試算する。導入費も運用費もこれまでの約10分の1に抑えたということだ。

イープラスの尾崎欧州システム部システム開発グループエキスパート

 この自動音声応答システムはチケットの抽選結果を顧客に伝える用途に使う。イープラスが販売するチケットは2種類ある。先着順のチケットと抽選のチケットだ。抽選でチケットを販売する場合、一定期間に顧客からの注文をオンラインで受け付け、その後に抽選結果を顧客に伝える。現在はWebサイトで抽選結果を顧客に告知するケースが多いが、一部の商品については電話で問い合わせを受け付けている。顧客が電話で抽選結果を確かめる場合、顧客はプッシュダイヤルで予約番号などを入力することで、抽選の当落を音声で確認できる。

 新システムは複数のAWS上のサービスを組み合わせて実現した。構成はこうだ。顧客が専用の電話番号に電話をかけるとAmazon Connectにつながる。Amazon Connectで設定した電話応答の流れである「コンタクトフロー」に従って自動的に音声で応答する。音声応答にはAWSのテキスト読み上げサービス「Amazon Polly」を使った。

 音声に従って顧客がプッシュボタンで予約番号などを入力すると、Amazon Connectはそのデータをサーバーレスコード実行サービスの「AWS Lambda」に受け渡す。データを受け取ったLambdaは、AWS上に構築済みの申し込み情報データベースから抽選結果を呼び出すコードを実行する。抽選結果のデータはLambdaを経由してAmazon Connectに返される。こうした仕組みで顧客に抽選結果を音声で伝える。

イープラスがAmazon Connectを活用して構築した自動音声応答システムの概要
[画像のクリックで拡大表示]

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は登録月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら