リフォーム業界では、いまだに訪問販売に依存している面があります。現状をどう見ていますか。

 当協会(日本住宅リフォーム産業協会)では、会員企業の加入条件として「不招請勧誘を行わないこと」と明示しています。いわゆる「飛び込み営業」の禁止です。

 訪問販売では、最初に企業名や氏名、目的などを提示することが特商法で義務付けられています。

盛 静男(もり しずお) 1957年、沖縄県生まれ。89年にリフォーム工事会社「ゆめや」を神戸市に設立。社長を務める。2018年6月に日本住宅リフォーム産業協会の会長に就任(写真:日経ホームビルダー)

 しかし、それを順守している企業は少数で、かなり強引な手を使って契約する企業も少なくありません。なかには、着工後に工事範囲を次々に広げる「次々リフォーム」や、火災保険を悪用して受注する「火災保険詐欺」を働く企業もいる。

 実態として、飛び込み営業におけるトラブルの発生確率は、かなり高いと言わざるを得ません。消費者保護の観点からも、もはや訪問販売に頼る時代ではないと思います。

リフォーム工事は新築以上に難度が高い。それなのに、建設業法の下では、500万円以下の工事なら建設業許可がなくても誰でも施工できる。500万円未満の工事も許可制にすべきではありませんか。

 よくそういう提案を耳にするのですが、私は懐疑的です。施工品質と企業規模の間に明確な因果関係があるか否か、そこをきちんと検証するのが先です。

 例えば、畳屋、建具屋、表具屋といった職種では、安い工事金額で良い仕事をしている良心的な会社がたくさんあります。逆に建築業許可の看板を掲げていても、飛び込み営業に頼ってトラブル続きの会社もある。

 リフォーム工事では、施工品質と企業規模は必ずしも結び付かないと思うのです。仮に小規模工事にも建設業許可を強いると、良心的な零細事業者のビジネスチャンスを摘むことにもなりかねない。

 そうした法制度の議論をするよりも、もっと身近なところで改善できることはたくさんあります。

 例えば、顧客に分かりやすい見積書を作成するのもその1つです。「外壁塗装一式、100m2 、100万円」といった曖昧な表示ではなく、どこの部分を工事対象にするのか、1つひとつ記載すべきです。

 その場合、個々の部位の塗装面積を記入しなくても構わない。どの部位を塗装するのか、対象範囲を正確に列挙するだけでも、顧客との行き違いやトラブルは激減します。まずは、そういう部分から地道な改善を積み重ねていくべきです。

この先は会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が4月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら