2020年夏季五輪に向け準備に追われる建設界。だが、足元の活況から視線を上げ、近い将来の市場環境に目を凝らす建築実務者が増えてきた。建設界の次なるテーマは、何か。その解になりそうな事例を米国建築の最新トレンドから探る。

 例えば、ニューヨーク市のマンハッタン区。竣工から半世紀を経た超高層ビルでは、躯体を生かしたまま建物を全面改修するプロジェクトが進行中だ。老朽化ビルの再生により、容積率などの規制に対応しながらテナント料を引き上げる。こうした改修は、やがて東京や大阪の超高層ビルでも必要になるかもしれない。

 インターネット通販などのEC(電子商取引)市場の拡大も米国の建築に影響を及ぼしている。都市部など需要地に近い物流倉庫では、エンドユーザーの要望に合わせ、短期間で急な設計変更にも対応する。柔軟に、そしてドラスチックに変化する米国社会。その潮流から生まれる新たな建築のかたちから、日本が学ぶ点は多い。