クルマを所有しなくても任意の場所に移動する能力(モビリティー)を提供するMaaS(マース/マーズ:モビリティー・アズ・ア・サービス)が脚光を浴びている。その先行例であるモビリティー系のシェアリングサービスも国内でじわじわと利用者を伸ばしている。各種サービスの現在地から未来のMaaSの可能性を探る本連載。第2回はカーシェアリングを取り上げる。

 「2020年に3万台の体制にする」。パーク24傘下でカーシェアリングサービス「タイムズカープラス」を手掛けるタイムズ24の亀田真隆氏(タイムズカープラス事業部企画グループマネージャー)はこう意気込む。2018年9月末時点の車両台数は2万3045台。47都道府県の都市部や駅周辺を中心に1万1000カ所以上のステーションを置き、会員数は108万人に達している。

 タイムズ24が手掛けるカーシェアリング事業の最新実績である2018年度上期(2017年11月~2018年4月)は、売上高が130億円で営業利益が17億円だった。「2014年10月期から通期での黒字が続いている」(亀田グループマネージャー)。

「タイムズカープラス」のステーション
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 順風満帆のように見えるが、長い時間をかけて普及に努めた結果が、ここ数年でようやく花が開くようになったという。パーク24は2009年にマツダレンタカーを買収。マツダレンタカーが2005年から手掛けてきたカーシェアリング事業を、レンタカー事業と合わせて継承した。買収時のカーシェアリング事業は、52台を広島市と福岡市の計19カ所に置いているという極めて小規模なものだった。

手探りで始めた利用者開拓

 カーシェアリング事業は土地と車両が必須となる。パーク24は駐車場を無人で24時間動かす体制に強みがあった。車両を持っているマツダレンタカーと一緒になって両社の強みを生かせば、後発であってもカーシェアリング事業でトップに立てると考えた。ただし、どうすれば認知度が向上し、利用者が増えるかは手探りだった。

 参入後、まず東京にステーションを200カ所設置した。「どこでどのように入会し、使ってもらえるかの傾向を明らかにするために、あえて深く考えずにいろいろなところに設置していった」(亀田氏)。認知度向上のため、「人の生活動線から目立つように、派手なのぼりもたくさん置いた」(同)。

 タイムズ24の駐車場をステーションとして利用する場合は追加費用がかからない。現時点で国内に約1万7000カ所の駐車場を持つタイムズ24は、サービスを拡大しやすい足場が整っていた。ただし、単にステーションと車両を増やせばサービスを拡大できるわけではなかったという。

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