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 木造建築の構造設計で多くの実績を持ち、現在、大分県で地元の製材を用いた70mスパンの屋根架構に挑む。発注者や建築設計者の下、木材などの専門家を巻き込み、確実に実現に導くのが山田憲明氏の姿勢だ。製材を活用する際の要点を聞いた。

山田 憲明(やまだ のりあき):1973年東京都生まれ。97年に京都大学工学部建築学科を卒業、増田建築構造事務所入所。2012年山田憲明構造設計事務所設立。05年にものづくり日本大賞、11年にJSCA賞作品賞、12年に日本構造デザイン賞を受賞(写真:日経アーキテクチュア)
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「技術者1人では背負えない」

 私がいまメインで手掛けている構造設計は、公共の木造建築です。だからプロポーザル時に地域材の活用が主題となる場合が多い。「架構を見せたい」という要望が強いので、コストを上げず、つくりやすく、美しく見せることを意識しています。

 木造には非常に多くの要素技術や考え方があり、大スパンでも、ちょっと工夫すれば、解決方法がいろいろと見つかる。例えば、力に強い形を採用する、鋼材などの異種素材と組み合わせる、といった方法です。

 木造の多様な技術、考え方を生かし、材料にもいろいろと気を使わないといけない。それを1人の構造設計者が背負っていくのは無理です。そのため、各分野の専門技術者のネットワークが大切だと考えています。

 例えば、耐火のことだったら安井昇さん(桜設計集団代表)に相談する、地域の木材事情を知りたければ、都道府県の林業研究所に問い合わせるといった具合です。熊本県では池田元吉さん(熊本県林業研究指導所)がよく知られています。民間では原田浩司さん(木構造振興)のように木材や木造全般に通じたコンサルタントもいます。