世界遺産「富岡製糸場」の木造トラスにヒントを得た架構を持つ「富岡商工会議所会館」が2018年春、群馬県富岡市に完成した。設計は手塚建築研究所。南北に延びる2枚の外壁と、折り連なった屋根面を格子状のトラスで構成し、無柱の内部空間を実現した。

 45度に振った米マツ集成材の格子が、外壁となってそそり立つ。6つの三角屋根を連続させた天井にも、外壁に呼応した木格子が露出する。2018年4月23日に業務を開始した富岡商工会議所会館は、格子トラス状の架構がそのまま空間に現れている〔写真1、2〕。

〔写真1〕格子トラスで壁と屋根を構築
吹き抜けの1階大会議室。一辺1820mmの正方形で構成した斜め格子が空間を覆う。壁で閉じた東側に対し、路地を設けた西側は開放的な全面ガラスとした(写真:吉田 誠)
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〔写真2〕南北をつなぐ路地空間を用意
駅や市役所に近い北西側からの外観。細長い敷地に沿って路地を設けた。右奥に見えるのが、補強改修した既存の袖蔵。扉を開けると表通りの商店街へ抜けられる(写真:吉田 誠)
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断面図
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 徒歩数分の距離には、14年に世界遺産に登録された富岡製糸場がある。「木の架構は、富岡製糸場の木造トラスから想起して発展的に構築した。労務環境も含めて当時最先端の施設だった富岡製糸場の特性を踏まえ、焼き直しではなく未来へつながる建築を意図した」。手塚建築研究所(東京都世田谷区)を共同主宰する設計者の手塚貴晴氏はそう話す。

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