NTTドコモのIoT技術「IoTアクセス制御エンジン」を用いたスマートホームの実証実験が行われた。実験を主導したのは横浜市が中心となって立ち上げた「I・TOP横浜」。「未来の家プロジェクト」と名付けられたこのプロジェクトには各種業界の企業が参加し、様々なIoTデバイスを搭載したスマートホームでの住環境について検証した。

横浜市泉区に仮設された、未来の家の外観(写真:村田皓)
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未来の家の内観。室内には参加企業の各種デバイスが設置されている(写真:村田皓)
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 「未来の家プロジェクト」と名付けられたスマートホームの実証実験が行われた。主導したのは横浜市や横浜企業経営支援財団が中心となる「I・TOP横浜」。I・TOP横浜は、業種や企業規模の枠組みを超えて、IoTビジネスを目指すプレーヤーの連携を実践するための組織だ。2017年の立ち上げ以来、参画企業や団体を増やし、2018年12月現在で360社を超えた。

 I・TOP横浜による、未来の家プロジェクトは今回で2回目。第2回の実証実験は、2018年6月12から9月24日までの間、横浜市泉区で行われた。

 今回行われた実験の内容は次のようなものだ。各種IoTデバイスを設置した仮設のスマートホームに被験者が1週間生活して、実験前後での被験者の状態変化や意識変化、行動変容について評価・検証する。第2回には14人の被験者が参加した。

ヘルスケア分野に注目

 未来の家プロジェクトでは、特にヘルスケア分野でのIoT活用が試みられた。心拍数や血圧、体重など被験者のバイタルデータを、各種機器から日常的に収集し、洗面台に設置されたスマートミラーに表示する。毎朝、洗面台に立つたびに、自分の健康状態が確認できる仕組みだ。バイタルデータは、スマートミラー以外にも、スマートフォンなどからも確認できる。

 バイタルデータの取得は、ウェアラブルタイプのフィットネスリストバンドを始め、マットレスの下に設置して心拍・呼吸データなどを取得する睡眠計など、複数の機器を使って行われている。体重計は洗面台前の床に埋め込まれており、洗面台の前に立つと自動的に計測、スマートミラーに結果を表示する。

 今回の実験では、スマートホームシステムには組み込まれず、スタンドアロンでの活用であったが、食事をスマホで撮影すると摂取した内容を判定しアドバイスを行う画像認識技術や、肌や環境の状態に合わせて基礎化粧品を調合する美容デバイスなども取り入れられた。

バイタルデータなどの健康状態を始め各種情報を表示する、NECパーソナルコンピュータ(東京・千代田区)のスマートミラー(商品化未定)(写真:村田皓)
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机の上には各種デバイスや、操作のためのスマホ・タブレットなどがある。写真中央にあるのが、資生堂(東京・中央区)の美容デバイス「Optune(オプチューン)」。その左にあるのが富士通コネクテッドテクノロジーズ(川崎市)の「健康をアドバイスするエージェントデバイス」(写真:村田皓)
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 その他に、スマホで操作可能な照明やシャッター、センサーで被験者の動線を計測する床材なども導入されている。

 1週間、この未来の家で過ごした被験者のひとりは、「体調が可視化される日常であったため、その後、健康に対する意識が向上した」と体験を語った。

 本プロジェクトへの主な参加企業は10社。グリーンブルー、三和シヤッター工業、資生堂、凸版印刷、foo.logが、第2回から新メンバーとして加わっている。

未来の家プロジェクトの参加企業と主な役割(資料:横浜市)
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