今回は、最新PCのグラフィックス機能について見ていこう。PCの画面を描画するグラフィックス機能は「GPU(Graphics Processing Unit)」の担当である。最近のほとんどのCPUには、GPU機能が統合されている。こうした統合されているGPUは「iGPU(Integrated GPU)」「内蔵GPU」などと呼ばれる。

 米インテル(Intel)の内蔵GPUは、第7世代Coreプロセッサーに統合されている「Intel HD Graphics 620」が大きな転換点になっている。UHD BD(Ultra HD Blu-ray)含むHDR10コンテンツの再生やWindows MR(Mixed Reality)の利用には、Intel HD Graphics 620以降が必須要件とされている。

 現行ノートPC向けCPUの主力である第8世代Coreプロセッサー(Uシリーズ)の内蔵GPUは、多くがIntel UHD Graphics 620だ。第8世代Coreプロセッサーに属する開発コードネーム「Coffee Lake-U」のCPUは、強化バージョンである「Intel Iris Plus Graphics 655」を搭載している。この内蔵GPUの描画性能は、Intel UHD Graphics 620の約2倍だが、採用しているPCはまだ少ない。

新旧インテル内蔵GPUの主な仕様
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ゲームやMR/VR向けの高性能GPU

 少し大きめの高性能なノートPCで、CPUから独立した外部GPUを搭載する機種もある。外部GPUとしてよく採用されているのは、米エヌビディア(NVIDIA)の「GeForce MX150」だ。性能はインテルの内蔵GPUである「Intel HD Graphics 520」の4倍をうたっている。Intel UHD Graphics 620との比較だと、3.3倍くらいの性能になる。

 「ゲーミングノート」と呼ばれるゲーム用のノートPCになると、さらに高性能な外部GPUが搭載されている。フルHDで最新の3Dゲームをプレーできる目安と考えられているのは、エヌビディアの「GeForce GTX 1050 Ti」。後述する「Windows Mixed Reality Ultra」の要件としては、それよりさらにワンランク上の「GeForce GTX 1060」が挙がっている。MR(複合現実)/VR(仮想現実)ゲームも、GeForce GTX 1060以上を推奨していることが多い。

 なお、インテルは高性能な選択肢として、米AMDの「AMD Radeon RX Vega Mシリーズ」のGPUを統合したCPU(開発コードネームはKaby Lake G)も出している。インテルのCPUにAMDのGPUを統合するという、かなり違和感のある組み合わせだが、性能はなかなか強力だ。グラフィックスメモリーとして高性能な「HBM2」を搭載している点が大きい。最上位の内蔵GPUである「AMD Radeon RX Vega M GH」は、GeForce GTX 1060相当の性能をうたう。ただ、今のところ採用例は多くない。

台湾華碩電脳(エイスース)のゲーミングノートPC「ROG STRIX SCARⅡ GL504GS/GMシリーズ」。最上位モデルの「GL504GS」はGeForce GTX 1070、上から2番目のモデルである「GM504GM」は、GeForce GTX 1060を搭載する
(出所:台湾華碩電脳(エイスース))
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主なノートPC向けGPUの描画性能比較。UL BenchmarksのWebサイトに掲載されている3DMark(FireStrike)の実測スコア(Graphicsスコア)を抜粋した
(出所:フィンランドUL Benchmarks)
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