この特集では、これから2019年にかけて登場するPCのスペックを解説する。今回のテーマはストレージだ。データを保管するストレージは、PCにとって不可欠なパーツだ。2018年はSSDの普及がさらに進み、「3D XPoint」「QLC NAND」といった新しいフラッシュメモリー技術に対応したSSDも登場している。

 2019年型PCはSSDに注目したい。安くて大容量なモデルがずらりとそろっているからだ。PCのメインストレージは、HDDからSSDへと移行しつつある。フラッシュメモリーの電圧操作だけでデータを読み書きできるSSDは、ランダムアクセスが高速で、振動や衝撃に強いというメリットがある。2016年末あたりからNANDフラッシュメモリーの供給不足傾向により価格が上昇していたが、2018年の春頃から解消し、価格的にもかなり買いやすくなって普及が加速している。

 技術面における最近の大きな話題は、QLC NANDフラッシュメモリーを搭載した製品の登場だろう。これはNANDフラッシュメモリーの一種で、QLC(Quad Level Cell)はメモリーセル1つに4ビットのデータを記録できる。現在の主流は1セルに3ビットのデータを記録できるTLC(Triple Level Cell)だが、これに比べて情報量は1.33倍になる。メモリーセルを増やさずに記録容量を増やせるため、SSDの大容量化や低価格化に有利だと言える。

 一方、QLCにも課題がある。電流制御が複雑になるため、メモリーセル当たりの寿命は約3分の1となってしまい、性能(特に書き込み)もTLCに比べて大きく落ちる。性能は空き容量を活用したキャッシュ技術である程度カバーされるが、登場したばかりなので、実際に使い込んだ時の使用感はどうなるかなど、まだ未知数な要素も多い。

NANDフラッシュメモリーの種類と買い換え回数
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QLC NANDフラッシュメモリーを搭載した米マイクロンテクノロジーの「Crucial P1 SSD」。シーケンシャル読み出し最大1.9Gバイト/秒、同書き込み最大950Mバイト/秒というスペックだ
(出所:CFD販売)
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QLCを採用した「インテル SSD 660p シリーズ」と、TLCを採用した「インテル SSD 760p シリーズ」のスペック比較。いずれも1Tバイトモデルの場合。760pは、耐久性の指標であるTBW(総書き込み容量)が660pの半分以下になっている
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