選択科目に関する「専門知識と応用能力」を問うIIの論文は、2018年度も17年度までと同様に2時間で600字詰め用紙4枚以内に記述する形でした。合否の基準も「課題解決能力」を問うIIIの論文と合わせて60%以上となっています。

 出題形式にも変化はなく、主に専門知識を問うII―1は4つの設問から2問を選び、それぞれ1枚以内にまとめる問題。もう一つの主に応用能力が求められるII―2は、2つの設問のうちの1問に2枚以内で解答するものでした。

 近年と同様、「都市及び地方計画」や「河川、砂防及び海岸・海洋」、「港湾及び空港」、「道路」などの主に計画分野からの出題比率が高い科目を中心に、技術基準の改定や新しい施策といった時事的なテーマが取り上げられています。

法律や制度、技術基準に沿った設問も

 II―1では例年通り、工学的な原理や調査・試験方法など、出題内容や解答の記述が時代によって大きくは変わらない「普遍的」な設問が多く、全科目で出題されています。問題数にすると、全体で48問のうち40問と8割以上を占めていました。

 また、「都市及び地方計画」や「道路」などの科目を中心に、法律や制度、技術基準に沿った出題が8問、出題されていました。これらは一般論では解答できず、法律や制度に関する正確な知識が求められる問題です。「河川、砂防および海岸・海洋」のII―1―1では、18年3月に改定されたばかりの河川砂防技術基準(計画編)について問われるなど、時事性の高いテーマも出題されています。

 全体的に、技術や制度の概要を答えさせる問題が多いなか、留意点まで述べるよう求める問題が11科目中7科目、全48問中20問を占めました。ただし、実務経験がなくても、基本的な知識があれば解答できるレベルの設問が多かったようです。

 受験者の専門分野や仕事の内容は多岐にわたるため、1つの科目の中でも、出題対象となる分野は広範囲に及んでいます。その結果、受験者の専門によっては、4問から2問を選ぶのが難しかった科目もあるようです。例えば「河川、砂防及び海岸・海洋」では、河川から2問、砂防から1問、海岸・海洋から1問が出題されました。砂防や海岸・海洋を専門分野とする受験者は、問題選びに苦労したと思われます。

 他方、II―2はII―1に比べて普遍的な問題が少なく、旬な話題や時流を意識した出題が目立ちました。実務経験を持つ受験者が有利になる問題が多く、設計や施工に当たっての留意点を答えさせる問題が12問と、全体の半数を占めています。

 業務や施工現場の条件が比較的細かく指定されている問題が多いのもII―2の特徴で、18年度は11科目中7科目、全24問中9問を占めています。設問中に図が示された問題は4問と例年並みで、最近、図を使った出題がなかった「施工計画、施工設備及び積算」でも出題されました。また、「港湾及び空港」のII―2では、岸壁の改良工事を題材に、受験者が提案する改良断面のイメージ図を解答用紙に書かせる問題が出題されています。

 なお、19年度から技術士試験制度が変更になりますが、「専門知識と応用能力」を問う論文については引き続き出題されます。ただし、18年度までは600字詰め原稿用紙4枚だった論文の分量が、19年度からは3枚に変更されます。解答する問題数なども変わる可能性がありますので注意が必要です。

 以下では、「鋼構造及びコンクリート」のうち、コンクリート分野の18年度の出題内容について、もう少し詳しく見ていきます。

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