最近の海外の衛星関連ビジネスの動向について、日本で宇宙関連事業のコンサルティングを手掛けるサテライト・ビジネス・ネットワークの葛岡成樹氏に聞いた。同氏は日本企業と欧米企業、両者の宇宙関連事業に携わってきた。技術者やマーケティング担当者として三菱電機とNECに合わせて21年間、宇宙関連の海外企業と取引する専門商社に13年間在籍した経験を持つ。(聞き手は松元 則雄、三宅 常之=共に日経 xTECH)

2018年11月に米アマゾン・ドットコム(Amazon.com)が「AWS Ground Station」を発表しました(同社のニュースリリース)。同社は人工衛星や航空機を手掛ける米ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)と提携、世界各地にアンテナを設置して衛星データを受信し、それをクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」を通じて利用者に提供します。この発表に注目されていますね。

 アマゾンの目的の1つは、複数の衛星や衛星群が連携するために必要な運行管理などのソフトウエアをクラウド上で提供することだと思います。そういった衛星を制御するためのソフトウエアはこれまで衛星ごとに開発し、1機の衛星もしくは1つの衛星群(コンステレーション)で1つのシステムで運用されていました。この形が変わりつつあります。

 現在の米国を中心とした衛星ビジネスのトレンドは、小型衛星のコンステレーションと大型衛星の連携です。例えば、複数の小型衛星を使って広い範囲を高い時間分解能で解像度の低いデータを取得し、その取得したデータをAIで解析して何か兆候がある地点を特定、大型衛星を使ってさらにその地点の高解像度のデータを得るといったようなサービスです。

 連携するのは衛星コンステレーションと大型衛星だけとは限りません。複数のコンステレーション間の連携や、欧州エアバス(Airbus)が取り組む成層圏を飛ぶ巨大ドローン「Zephyr」のような衛星以外のシステムとの連携も考えられます。

 上述のような複数の衛星やコンステレーションを連携するためには、それらを横断的に制御できるソフトウエアが必要になるでしょう。そのソフトウエアを握ることがアマゾンの狙いだと思います。AWS Ground Stationのサービスは、最初は各衛星が取得したデータを連携させるだけでしょう。しかし、将来はAWS上から衛星間の制御ができるようになるかもしれません。

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