センサーやモーターを手掛けるキヤノン子会社のキヤノン電子は、小型衛星の需要拡大の波を早くから捉えていた大手メーカーの代表格だ。ここへ来て事業化に向けた動きを加速している。

 2018年7月に、宇宙に小型衛星を打ち上げる事業を展開する子会社のスペースワンを立ち上げた。これに先立つ2017年6月には、自社開発の小型衛星「CE-SAT-I」をインドから打ち上げて高度505kmの地球周回軌道に乗せ、衛星の打ち上げや宇宙空間での活動(撮影やデータ通信)の実証に成功した。

 同社の宇宙ビジネスへの取り組みは、代表取締役社長の酒巻久氏の肝いりでスタートした(関連記事)。CE-SAT-Iは、その取り組みが結実したものである。外形寸法は500mm×500mm×850mmと小型でコストは3億~5億円とみられるほど安価ながら、多くの需要が見込まれる分解能1m未満の画像データを地球に送信できる。キヤノンのデジタル一眼レフカメラなどの非宇宙技術、姿勢制御用のモーター技術、カメラ用レンズなど光学技術、小型機構・材料技術などを搭載した。100mm×100mm×300mmとさらに小型の次世代機「CE-SAT-Ⅲ」の開発も進めている(図1)。

図1 監視カメラ向けイメージセンサー技術を小型衛星に搭載
キヤノン電子は、自ら小型衛星を開発し、宇宙空間に放出した。衛星には、キヤノン製のイメージセンサーなどを搭載している。このイメージセンサーは、宇宙用ではなく、監視カメラなどの産業用である。キヤノン電子は、出資した企画会社を通して小型衛星を輸送するサービスも手掛ける意向だ。(写真:キヤノン、図:スペースワン)
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 キヤノン電子は、CE-SAT-Iの打ち上げ成功を受け、また潜在顧客の動向を踏まえて、小型衛星を宇宙空間に打ち上げるサービスの事業化を決めた。事業化検討のために2017年8月に70%を出資して企画会社「新世代小型ロケット開発企画」を設立。それを今回、事業会社に格上げしたのがスペースワンである。

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