ソニーが、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)とともに、光通信システムに関してJAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同研究を始めたのは2016年3月。地上での実証実験を含む2年間のプロジェクトだった。ただし宇宙でしか検証できないことがあるため、2017年10月に国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」での実験に取り組むことを決めた(図1)。

図1 ソニーとJAXAが共同開発中の光通信システム
ソニーとJAXAが、小型衛星用に光ディスク技術を応用して開発中の光通信システムの試作部(2枚の写真)と通信イメージ(図)。4500kmの宇宙空間での通信には、レーザー光を受信部に対して10μ radの正確さ(指向精度)で向ける必要がある。光ディスクの微小なピットを読み取るための光ピックアップ制御技術を応用して、実現可能なことを示した。(図:岩本匡平ほか、「光ディスク技術を用いた小型衛星光通信システム」、「第61回宇宙科学技術連合講演会講演集」、1H17、2017年10月.)
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 将来技術に早くから取り組むのは、技術で業界標準を取るためだ。「(開発中の光通信システムの潜在顧客である)衛星サービス事業者の立場で考えると、1つの部品にリスクを取って新しい部品を採用しようとは考えない」(ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL) SOLプロジェクト 研究リーダーの岩本匡平氏)。宇宙での実績を積み上げて、顧客からみたリスクがない製品として業界で最も早く提供可能にしておく。いざ顧客が採用を検討したときに、ソニー製品のみが宇宙で使用実績がある状況にしておけば、標準的な製品となる可能性は高まる。

 ただし、光通信システムの単品売りは考えていない。光通信システムならではの特性を生かしたAIなどによる解析サービスをソリューションとして提供していく意向である。サービスの具体的な内容は今後検討していく。

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