先端技術や新しい工夫を加えて木材を利用する方向性は、以下の3つに大別できる。木材そのものを工夫して活用するもの、木材を改質したり加工したりして活用するもの、木材の成分を活用するものだ。

 木材そのものを工夫して活用する取り組みの例としては、丸太を用いた地盤改良技術が挙げられる。飛島建設が中心となって開発を続けてきた技術で、液状化対策や軟弱地盤対策に用いる。

 例えば、液状化対策では丸太を地中に打ち込んで地盤の密度を増大させ、地震時に発生する地盤の液状化を防ぐ。丸太を地下水位以下に埋めているので、空気との接触がなくなり、木材の弱点である腐朽を防止できる。ミサワホームが開発した千葉県内の住宅地などで採用実績を持つ。2018年には、飛島建設と住友林業、ミサワホームが軟弱地盤を改良する新工法を開発している。

千葉市美浜区内で地盤に丸太を打ち込んで液状化対策を実施している様子(写真:澤田 聖司)
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 木材の欠点を補う改質や加工の取り組みによって木材の適用範囲や価値を高める代表例は耐火集成材だ。大規模建築物や公共建築物に木造を導入しようという動きをにらみ、大手ゼネコンなどがこぞって開発を進めている。耐火性能が求められる建築物の柱や梁などに使えるように、1時間耐火や2時間耐火といった性能を確保するための研究が行われてきた。

 シェルター(山形市)は18年1月、木材内部に石こうボードの燃え止まり層を設けた「COOL WOOD(クールウッド)」で、3時間耐火構造の国土交通大臣認定を取得したと発表している。

 燃え止まり層とは、集成材の外周部が火災で燃えた後に燃焼の継続を食い止める部分だ。通常は集成材の芯材と外周材の間に、石こうボードや難燃性を持たせる薬剤を注入した材料を挟む。

4枚の石こうボードと表面材で覆う柱脚部分のイメージ。柱脚金物に固定した柱(荷重支持部材)に4枚の強化石こうボードと表面材を張る(資料:シェルター)
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 シェルターによる発表の後、竹中工務店と清水建設らは相次いで、石こう系の材料などを用いて燃え止まり層を構築した耐火集成材で、2時間耐火の国土交通大臣認定を取得した旨を、それぞれ明らかにした。

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