京都府立大学と奈良県森林技術センター、バルセロナトレード日本事務所(岡山県津山市)は共同で、針葉樹材を高品質木材に改質するケボニー化と呼ぶ処理をスギに適用できる可能性が高いことを確認した。日本で十分に利用されていないスギ材の付加価値を高められれば、林業を活性化し、建築や住宅分野での国産材利用を後押しする可能性が出てくる。

左がケボニー化処理を施したスギ材で、右が高級樹種であるチーク材。見た目の風合いは似ている(写真:日経 xTECH)
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 ケボニー化とはカナダのニューブランズウィック大学で開発され、ノルウェーのケボニー社が実用化した技術だ。トウモロコシの穂軸やサトウキビの搾りかすを原料として生成したフルフリルアルコールを木材に含浸、熱を加えて重合させる。すると、細胞壁内の空洞にフラン樹脂が詰まって密実になり、木材の硬さや腐朽に対する抵抗性が上がる。

ケボニー化処理で生じる化学反応(資料:京都府立大学の資料を基に日経 xTECHが作成)
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木材をケボニー化処理する工程。京都府立大学の資料を基に日経 xTECHが作成
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 針葉樹は成長速度が速い半面、強度や耐久性に難がある。これは国内に大量に存在するスギの流通が進まない一因となっている。付加価値が低くて価格が安く、森林から切り出しても採算が取れないのだ。

 ケボニー化の技術を針葉樹材に使うと、強度や耐久性を向上させて、付加価値の高い広葉樹材のように改質できる場合がある。「場合がある」と表現しているのは、樹種によって改質の効果を期待できるものとそうでないものが存在するからだ。

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