今回は、自己修復材料の応用分野について考えてみる。高分子材料の応用範囲としては、家電製品などが挙げられる。他にも、生体材料は有望な分野といえる。高分子系の自己修復材料は、電機、生体、嗜好品、日用品という領域で期待されていると考える人は多い。

 しかし私は、本当に高分子材料が自己修復性を持った場合に、一番使われるようになる分野は建築・土木インフラの領域ではないかとみている。現在、あまり使われていないからだ。今使えないからこそ、使えた場合のメリットは大きいと思う。

 今は、全部をプラスチックでつくるとか、単質なもので全てをつくる時代ではなくなっている。これからのものづくりはいろいろなところが変わっていくはずだ。構造物についても、柱の部分だけが高分子系の材料に置き換わるといったことが起こり得るとみている。

 一方で、眼鏡や靴などが自己修復する材料になっても、結局は新品を買った方が安くなる可能性が高い。やはり、最初のうちは付加価値がかなり高い領域での展開になるだろう。

 半面、製品の材料がプラスチックから金属に置き換わるような事態が生じてくるかもしれない。金属では重いので、現在はプラスチックを用いているものが、自己修復性能を持つ非常に薄い金属材料や、多孔質の金属材料などに置き換わるかもしれない。金属材料には光沢という意匠性など金属ならではの良さがある。

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